徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 帝国飛行協会正会員章

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航空関係のバッジは、なぜかカッコイイのが多い・・・というのが漠然とした私の印象だ。鳥のような、魚のような流線型の飛行機それ自体がカッコイイせいかもしれない。

(財)航空協会の公式サイトによると、帝国飛行協会は、1913年(明治43年)に設立された民間団体で、懸賞飛行や競技会を通じて、航空振興を果たしてきた。

このバッジは帝国飛行協会の正会員章で、プロペラとエンジンの形を正面からデザインした斬新なものである。
ふつうに考えれば、飛行機関係の徽章ならば、飛行機の機体をそのままデザイン化しそうなところだが、このバッジの制作者はそうはしなかった。飛行機の心臓部であるプロペラとエンジンの組み合わせをシンボルとしたところがユニークだ。
本来は武骨な機械部品だが、七宝やメッキで巧みに彩られ、胸元を飾るアクセサリーとなっている。そこが、このバッジの魅力だ。

帝国飛行協会は、1940年に戦争による国家総動員態勢のもと、大日本飛行協会と改組された。だが、このバッジの形はほぼそのまま引き継がれた。一般的なバッジより、かなり複雑な形をしたバッジだが、このデザインを変えてしまうのが惜しまれたのだろう。
ただし、全体の色形はソックリだが、質は格段に低下した。全体の刻印や彩色は、帝国飛行協会時代には遠く及ばないシロモノであった。