徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 東京帝国大学運動会メダル(大正6年)

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前にも書いたように、日本の徽章製作の歴史を語る上で、「体育系」のバッジ・メダルというのは欠かせない存在である。各種大会記念やスポーツクラブメンバーのバッジは、徽章製作の黎明期、明治時代初期から作られてきた。ギリシャ・ローマ彫像を思わせるヨーロッパ風の人物像や女神像などが描かれたものも定番である。

今日の一枚は、その中ではシンプルな、「東京帝国大学運動会 一等賞」メダルである。中央に「陸」と書いてあるので、陸上部の大会メダルであろう。
裏面には、「大正6年」とある。
全体にすっきりしたデザインで、それでもシャープなツクリは高い完成度を感じさせる。

「賞牌」(つまりメダルの意)と金字を押された桐の箱付きで、箱の蓋裏には「U.SUZUKI MEDAL MAKER IIDAMACHITOKYO」という字が見える。
U.SUZUKIとは、 帝国徽章商会の鈴木梅吉のことである。麹町区飯田町に工場を構えていた。帝国徽章商会は、帝大を始め、各学校関係のバッジをたくさん作っている。
そのため、古い学校関係のスポーツバッジを見ていると、よくこの名を見かけることができる。

それにしても、スポーツ大会バッジでこんな立派なモノを作っていた昔は、今よりもずっと徽章文化が華やかだったのである。