徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アルバニア スターリン生誕100周年記念バッジ

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今日5月9日は、ロシアの独ソ戦戦勝65周年の記念日ナチスドイツの侵略によって甚大な被害を被りつつ、一時はモスクワ手前まで攻め込まれながら撃退。逆にドイツになだれ込んだソ連赤軍は、ベルリンを陥落させ、1945年5月9日、ドイツは対ソ無条件降伏に調印した。

ソ連がロシアに変わってからも、この日が勝利の日として祝われてきたのは言うまでもない。が、一方でソ連の最高指導者であったスターリンの評価は分かれている。
今年の式典に際して、スターリンの肖像を掲げるかどうかで意見が対立。大統領府はスターリン礼賛の動きについて批判、スターリンの犯罪は糾弾されるべきとしている。カチンの森虐殺事件も、スターリンの指示ということになっているらしい。

・・・というようなニュースを読んだので、スターリンバッジでも紹介しようかと思ったが、私のコレクションには、ソ連スターリンバッジがないのに気づいた。
代わりに、突然マイナー国になるが、アルバニア製のスターリンバッジを載せよう。
アルバニア語がよく分からないが、要するにスターリン生誕100周年の記念バッジである。スターリンは1879年12月生まれなので、1979年に製作されたバッジということになる。

1979年当時、ソ連ではブレジネフ書記長の時代である。アルバニアでは、エンベル・ホッジャ体制がまだまだバリバリの頃。フルシチョフ時代、ソ連と断交したアルバニアは、同じくソ連と対立していた中国に接近、友好関係を深めるが、70年代に入って中国がアメリカや日本との国交を結ぶと断交するにいたる。文革後、改革開放に突き進む中国を尻目に、アルバニアは果てしない鎖国状態に陥っていく。

まあそんな時代の産物と思ってほしい。本家のソ連でも、スターリン礼賛が長く続いた中国ですら、今さらスターリン?という時代にあって、生誕100周年記念バッジを作っていたアルバニアの時代錯誤ぶりはさすがというほかない

何のヘンテツもないアルミ製のバッジだが、よく見るとスターリンの表情はなかなか味わい深い気もするなあ・・・。