ニュースを見ていて、あの天安門事件(六四事件)からもう32年もたったのかと感慨深い気持ちになった。あの頃、中国で民主化運動に参加した学生たちももはや中高年。中国共産党時代の終わりも近いと予言するムキも多かったが、中国の政治体制は30年以上健在である。もしかすると、政治権力的にはあの民主化弾圧は成功だった、ということになるのか。しかし、成功体験は次の失敗の始まりでもあるのが人の世の常。一寸先は闇ということに何ら変わりはなく、中国政治の将来がどうなるかは誰にも見通せまい。わが日本の将来とて同様で、ヒトのことなどどうこう言えまい。
さて、変化の激しい中国現代史の中でも、最大のビッグネームといえば毛沢東!中国徽章文化を語る上でも、この人だけは絶対に欠かすことができない。
60年代の文化大革命中の毛沢東バッジは世界的に有名だが、それ以前にも毛沢東バッジは数多く存在している。
このバッジもその一つで、50年代初期製と思われる、ソ連の指導者スターリンと並ぶ毛沢東のバッジである。非常に豪華なツクリで、銀製の星型バッジに、別パーツで金製の2人の肖像が取り付けてある。裏面には「国営上海金店」の刻印が見える。
毛沢東&スターリンの肖像バッジは中国では数多く作られたが、いまだに思い出すのが、かつて北京の骨董市で発見した毛・スタの18金製バッジのこと。
あの時、あれ買っておけばよかった・・・と悔やまれてならない。値段を聞いて、あの時は高いと思って買わなかったのだが、後から思えば、決して出せない額ではなかったのに・・・
以来、あれほど見事な毛沢東&スターリンバッジには二度とお目にかかったことはない。コレクターとして、私の怨念になっている。