徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 教育委員会バッジ

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連日大きく報道されている大津いじめ自殺事件関連ニュース。「大津事件」といえば、いまや津田三蔵じゃなくていじめ事件なんじゃないかと思うほどの勢いだ。

過去にもいじめを苦にした子供の自殺というのがあったが、今回ほど大きく炎上した例は稀だろう。批難の矛先は、加害者だけでなく、学校や市教育委員会にも向けられたことが、今回の事件の特徴だ。
「いじめと自殺の因果関係は不明」「いじめ以外にも家庭にも原因があったのではないか」との教育長の発言は、様々な角度でいじめの実態が浮かび上がっていく中、真相の隠蔽、責任のがれとしか聞こえず、ますます非難の声は高まるばかりなのであった。

いじめが原因だ、といえば、誰かが責任を取らなければならない。なぜいじめを放置していたのか、学校の責任者は誰か、行政の責任は・・・と責任追及の手を果てしなく広げなくてはいけなくなる。加害者側の保護者から、なんの証拠があるのかと責められるかもしれない。
だから「因果関係は不明」と表明し続けたのだろう。絶対的証拠がない以上、反論しようのない無敵の論理だ。

だが、それは組織内部にだけ通じる論理であって、本質的解決や改善に取り組む姿勢は全く感じられなかった。責任逃れだ、という批判に自ら油を注ぎ続けるばかりで、その頑なさは奇妙ですらあった。

そして、やがて批判は、教育委員会制度そのものへと拡大していった。
教育委員会には、これらの問題へ取り組む意識も能力もないのではないか、教育行政のプロである事務局(教育局)が決めたことを追認するだけのお飾りなのではないか・・・と。

つい、前置きが長くなったが、今日のバッジは教育委員会のバッジである。
中央に篆字で「教委」、まわりは桜花の透かし彫りである。どこの市町村なのか、はたまた都道府県なのか、また製作年代も不明。裏は無字である。
一見大したことのないバッジに見えて、透かし彫りを採用したデザインはなかなか繊細で、良くできている。銀メッキがほとんど取れてしまっているが、元はもっと美しいバッジであったろう。八重咲きの桜花に教育委員会の権威がにじみ出ている。

教育委員会不要論、この問題はけっこう難しい。今回の事件で露呈したように、多くの教育委員会の実態は、お寒いものかも知れない。が、政治から独立した教育機関は、本当に必要ないのだろうか。