徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 勤労顕功章

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今年もまた大晦日を迎えた。この1年、大きなトラブルもなく、家族とも健康で平和に年の瀬を迎えられたのだから、人生これ以上望むことがあろうか。
と言っても実のところはないことはなく、もう少しよいコレクションがあったらよかったなあと、ちょっと残念に思うものの、初詣でそこまで強欲なお祈りをすればきっと天罰が下るであろう。

さてこの1年を振り返って、何か目玉になるようなコレクションがあっただろうかと思う。
本当はもっとスゴイものもなくもないのだが、今年入手できた大物として、画像のバッジを紹介しよう。

勤労顕功章である。
俗に「産業界の金鵄勲章」とも言われるもので、昭和17年に制定された。戦争勝利のために民間労働者に対する顕彰制度の需要が生まれ、その需要で誕生したバッジである。
その詳細についてはすでに記したので、こちらを見てほしい。→勤労章

各地方単位で贈られる「勤労章」は比較的数が多いが、その中からさらに選抜され、中央で授与される「勤労顕功章」は格段に数が少なく、レア物である。したがって、市場価格も高い。私も清水の舞台から飛び降りる思いで買った。売っている機会自体が少ないのだが、それでも一時期よりは安くなったのかも?

黒漆箱入りで、状態は極めて良好。箱のツクリからしても間違いなく当時のホンモノである。安い買い物とは言えないが、開けてみてその状態のキレイさには満足した。おそらくほとんど使用されてもいないだろう。授与されて、そのまま神棚にでも上げられっぱなしだったのではないだろうか。

このバッジの特徴である8本に伸びる光芒は、鋭利といっていいほどシャープである。この光芒線のおかげで、洋風バッジの雰囲気が、曲玉に神像という和風デザインに加わり、どこか和洋折衷感が漂う。

全体は七宝の入った曲玉とそれ以外の部分、2つのパーツが組み合わされている。きっちり正確に作られていて、最大幅は最大48mmと決して大きくないが、細部に至るまで精密である。
そしてなんと言っても、神像の上下左右の4か所にはめ込まれた真珠が、大きなアクセントとなっている。なぜこのバッジに真珠があしらわれているのか、少し不思議な気もする。
全体の銀、中央神像の金、曲玉の褐色、そして虹色に輝く真珠が合わさって、高級感を醸し出している。

デザインについてはもうとっくに知っていても、ホンモノを見た時の印象というのはまた少し異なるものだ。このバッジについては、よい意味に想像を裏切られたと思った。実物はさすがに素晴らしい。