徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

ブラジル リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックバッジ

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白紙撤回が決まった東京オリンピックエンブレム問題。もっとも、再公募をどうするか、佐野エンブレム事件の二の足を踏まないようにするにはどうしたらよいか課題は尽きないようだ。

来年開催されるリオデジャネイロオリンピックのエンブレムでも、実は同様の問題で揺れた。3人の人が輪になって踊る様子をデザイン化したそうだが、これと類似したモノがすでにあることが判明したのだ。
確かにテレビで報じられたそのデザインを見ると、かなり似ている・・・という印象を持った。

それでも法的には問題がないということで、そのまま採用されることに決まったらしい。少なくとも白紙撤回されることはなかった。おそらく、今回の佐野エンブレムの問題で、JOCは「リオの類似問題もクリアできたのだからこちらだって問題ない。どうせどんなデザインに決めても、似ていると主張するヤツは出てくるのさ」という構えだったのではないかと推測する。

画像は、2016年リオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックバッジ
開催から1年をきり、そろそろどこかで買えないものかと探しているのだが見つからず、このバッジは結局海外からネットで買った。日本ではまだ売っていないのかなあ?

それにしてもこのデザイン、躍動感があって楽しい雰囲気はわかるが、全体としてそんなにいいかなあ?とも思う。そもそもオリンピックのエンブレムなどこの程度のものであって、大騒ぎするほどのものではないのではないかという気分になってくる。

多少の違和感があっても、使い続けていくうちに馴染むものってのもあるはずだ。
2008年に登場した、平安遷都1300年記念イベントのキャラ「せんとくんを覚えているだろうか。せんとくんは発表されるや、「きもい、不気味」と、ものすごい批判の嵐が起こった。審査員は、「無能」、「税金泥棒」と罵倒された。
ネットでは有志によりせんとくんに対抗するキャラを応募するコンテストが行われ、「まんとくん」がネット投票で選び出されるなど話題となった。
しかし、この事件を奇貨として、せんとくんは全国的に有名になった。世間など無責任なもので、だんだんと「けっこうかわいい」などと好感を持つ人も増え始め、今では奈良県を代表するキャラとして定着してしまったではないか。

何よりも問題だと思うのは、第2の作品を選んでも、また同様の問題で炎上しない保証は全くない。そうしたらまたネット世論に迎合してまた第3の作品でも募集しようというのか。オリンピック開催地としての日本の信頼感はますます低下するだけである。

佐野エンブレムを、私は素晴らしいデザインだとは思えない。しかし、あれは「せんとくん」なのである。ここまで議論を巻き起こし、その結果として世界に広く知られたことを財産とすることはできないのか。このピンチをチャンスに変えられるのは、今しかないのではないか。

断固佐野エンブレムを押し通すべきである。今からでも遅くない、JOCは白紙撤回を白紙撤回せよ。
そして、日本の徽章文化の粋を集めて、佐野エンブレムバッジをどんどん作てもらいたい。きっと渋みと豪華さをもつバッジができるはずだ。わが国徽章メーカーは、きっと応えてくれるだろう。

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せんとくんバッジ