徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 茶業組合創立30年記念(大正2年)

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最近新しいバッジばかり紹介していたのに飽きたので少し古いモノを・・・。大体このブログでは、新しいバッジなどあまり目をかけていなかったのだ。ただそれだとたちまちネタに尽きてしまい、それに「徽章文化」の看板を掲げる以上、現代に息づくバッジに関する事柄も取り上げねばと思っていただけなのだ。

というわけで、今日は大正2年、茶業組合のバッジである。ごく小さいもので、幅は14mm強しかない。ただ銀製で、彫りが細かく、なかなか日本らしいいいバッジだなあ・・・と思っていたモノだ。

さて、茶業組合は、明治17年1884年)に創立された。その後、幾度か組織の改編を経て、平成25年(2013年)からは現在の公益社団法人日本茶業中央会となっている。

それはよいがこのバッジである。
上部にある「T」はteaのイニシャルであろう。それを囲んでいるのは、遠目には月桂冠かと思いきや、茶の葉と花ではないか。さすがだ。小さいながらに込められたこだわりが楽しい。

問題はその下である。
なにやら寺社めいた建物が見えるが、これがなんなのか、入手以来サッパリわからなかった。
一応、入手当時も気になったので調べては見たのである。エキゾチックな雰囲気の建物だから、中国の茶の聖地とされるところの建物かもとか、茶の発祥の地にゆかりがあるところじゃないかとか、いろいろ考えネットで探し回ったものの、それらしいものはまったくなかった。

ところがその後、茶の歴史を調べていて、ふと「宇治」の名前が目にとまった。宇治は日本で最も古くから茶栽培の始まった地でもある。
宇治といえば、平等院鳳凰堂。そういえば昔、あの辺で抹茶ソフトクリームを食べたよなあ・・・
ん?待てよ?

改めて拡大してみると、似ている
比べてみて欲しい、下の画像は、十円玉に描かれた平等院鳳凰堂である。

バッジに描かれている建物は、デフォルメされかなり左右が縮められてはいるが(そのため鳳凰堂っぽくなくなってしまっている)、細部はまさに鳳凰堂ではないか。
中央の建物の屋根に見える鳳凰飾りがかなり誇張されているのは、これが「鳳凰堂」だということを強調したいためなのではないかとも思えてくる。

というわけで、(もしかしたら違うかもしれないが)今ではこの建物は平等院鳳凰堂と確信している。
日本茶の歴史を象徴したのであろう。平等院と茶とは直接関連があるわけではないのだが、日本茶の歴史といえば宇治、宇治といえば平等院という連想だろう。

やっと正体がわかって、私も、ああすっきりした。