徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 滝川市名誉市民章・功労章

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画像は、北海道滝川市の名誉市民章と功労章である。

名誉市民(町民、村民)制度を制定している市町村は多いが、これは功労章とデザインがセットになっているところがおもしろい。

全体の大きさやコンセプトは共通していて、名誉市民章の方は5弁の花、功労章の方は3弁の花ときちんと段階をつけている。また、上部には、名誉市民章は「」、功労章は「」の文字がある。
勲章の階級などでもそうだが、上位ほど飾りの数が増える、大きさが大きい、色が華やか(派手)という傾向がある。社員章でも、幹部のものは金色だったり、彩色されていていたりするのは一般的だ。

上部の緑色の飾りはなんだろうと思って調べてみたら、滝川市市の木はプラタナスなのだそうだ。なるほど、これはまさにプラタナスの葉だ。
すると、中央の花は何か。
市の花はツツジなので、それかもしれない。もっとも3弁のツツジというもの自体はないだろうが。花の中央を大きく赤く彩色しているのは、旭日章のイメージから来ているように思える。
丸く囲んでいる小さな花状の飾りも、よく見るとおしべのようなものが描かれていて、どうやらツツジの花らしい。
その下の金色の四角いパーツは、市章である。滝川市の市章は、正方形を斜めに3等分したデザインだ。

全体のツクリはよく、名誉市民章と功労章のデザインの対比もよくできている。この種のものにしたらかなり秀作といってよい。

どこの作かと思って箱を見てみると、「(株)ますだ謹製」の文字を見つけた。
うん?ますだ?
聞いたことがある気がしてネットで探すと、東京中央区にある「マスダ徽章商会」に突き当たった。ああ、これか。
「ますだ」とひらがな表記なのが気になるが、社名変更したのだろうか、これである可能性が高いと思われる。
となると、北海道の市でありながらわざわざ東京に発注したことになる。まあ徽章メーカーは圧倒的に東京が多いので、北海道から九州の自治体のメダルやバッジは、東京のメーカーが作っていることが非常に多い。

滝川市の名誉市民条例は昭和46年、功労章に関する条例は昭和47年に、ほぼ同時期に制定されている。このため、両デザインがよく似ているのは同時に作られたためだと思われる。

画像の名誉市民章も功労章も、シリアルナンバーが刻印されている。通常、名誉市民章というのはそれほど数が作られないものなので、功労章よりもずっとレアである。
黒柳徹子の母、黒柳朝滝川市の名誉市民とのことである。