徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 日本原水協「第17回世界大会」バッジ(1971年)

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アメリカのオバマ大統領が、サミットで来日したついでに広島へ訪問するという。アメリカの現役大統領としては初めてのことで、極めて画期的なことである。
アメリカの大統領が原爆投下について何を語るのかが注目されているが、広島を訪問することが決まったと言うことは、「やはり原爆投下は正しかった」とは言うはずもなく、とはいえアメリカの日本に対する謝罪の体は取ることもあり得ないので、「人類史における悲劇」という一般論としてのコメントくらいがせいぜいだろうという予想もつくところではある。
もっともオバマ大統領の広島訪問を巡る報道があっても、「たぶん無理だろう」と考えていたので、正直意外だった。もう過ぎ任期が終わる時期だから可能になったのだろうけど。

さて広島を巡っては、当の日本においても様々なイデオロギー対立が繰り広げられてきた。
第五福竜丸事件(1954年)を契機に、反核運動の盛り上がりを受けて誕生したのが、原水爆禁止日本協議会原水協である。しかし、その後社会主義国であるソ連や中国が核保有国になったのを受けて、路線対立が勃発、原水協から分裂したのが、原水爆禁止日本国民会議原水禁であった。
おおざっぱに言えば、原水協共産党系、原水禁社会党系に位置づけられる。

今日のバッジは、その原水協系のモノである。
表面は、原爆の閃光をイメージした反射パーツをはめ込んであり「8/6広島を」、裏面には「1971 第17回世界大会 日本原水協」とある。

「広島を」というスローガンは少し不思議である。広島を・・・、なんなのだろう?忘れるな、か。繰り返すな、だろうか。

原水協原水禁は、今も分裂状態である。東西冷戦体制も変わり、イデオロギー対立も終わり、世代も変わったというのに。分裂した理由が失われたとしても、では一緒にやりましょうとは簡単にはならないわけだ。なかなか組織というのも難しいものだ。