徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 神戸市 市会議員待遇者章

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最近は不倫報道が多くて、まあ以前から不倫ネタはゴシップの定番ではあったが、すっかり週刊誌やワイドショーの一ジャンルと化した感がある。

ところで、自民党今井絵理子議員の不倫相手として一躍有名になったのが、神戸市の橋本健市議である。
公式サイトによると、1980年生まれというからまだまだ若い。神戸市議として初当選したのが2007年、以来現在まで3期市議を務めている。
(今気づいたが、公式サイト、まだ閉鎖されてないんだ・・・)

さて、画像のバッジは、「神戸市市会議員待遇者章」。
議員待遇者章」というのは、落選又は引退した議員に対する一種の礼遇措置であって、こうした制度が設けられていることはあまり一般的に知られていないのではないか。要するに「元議員」用のバッジである。現役議員とはもちろんバッジのデザインは異なる。
中央にあるのは有名な神戸市章。「扇港」と呼ばれた神戸を表しているという。
純銀製で、制作メーカーは不明。

まず、神戸市が制定した規則を見てみよう。これは現在も運用されている規則である。



○神戸市市会議員待遇規則(昭和26年8月23日、規則第88号)

(趣旨)
第1条 この規則は,市会議員待遇者の待遇に関し必要な事項を定めるものとする。

(市会議員待遇者の待遇)
第2条 市会議員待遇者(本市市会議員としての在職期間が満8年以上であった者で,禁錮以上の刑に処せられたことがないものをいう。以下同じ。)に対しては,終身次の待遇を行う。
(1) 市の行う重要な式典への招待
(2) 市政に関する重要な刊行物の贈呈
(3) 前2号に掲げるもののほか,特に必要があると認める待遇

(第3条以下略)



というわけで、式典への招待やら市政刊行物の贈呈やら、当然ながら大した特権はない。まあ議員OBとして、先輩への敬意を制度化しているわけだ。これはなにも神戸市だけでなく、全国の自治体でほぼ同様の規則が運用されている。

画像のバッジは明らかに古いもので、裏面にある「神戸市 市会議員待遇者」の文字も右書きとなっている。

市の規則には「待遇者章」についての明記はないので、現在もこうした待遇者章が存在しているかどうかは定かではない(ただし第2条(3)に、その他規定はある)。ほかの市でも待遇者章を贈っているところがあるようなので、神戸市にもある可能性はあるだろう。国会議員にも「前議員章」があるしね。

さて、例の橋本市議、いやもう辞職したから元市議か。不倫騒動以来、注目を集めたのがアダとなったか。地元エリートから若手市議、さらに元アイドルの女性を恋人に持つに至ったところが、政務活動費の不正が発覚して市議を辞職、たちまちすべてを失ったどころか今や起訴を待つ身になってしまうのだから、人生何がきっかけで転落するかわかったものではない。

しかし私は別のことを考えていたのである。
この人、初当選以来3期10年以上経過しているので、「市会議員待遇者」の資格を有しているのである。待遇者として認められるかどうかは、議員でなくなった経緯(落選だろうと辞職だろうと)は規則上、不問なのである。
彼は果たして待遇者章はもらえるのか、それは現在どのようなバッジなのかと・・・

あとは政務活動費の不正使用が「禁固刑以上の刑に処せられ」ないかどうかが今後のカギとなろう。

まあさすがに、たとえ資格はあっても辞退するかもしれないけどな、この人の場合