徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

スペイン ファランヘ党員章

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1479年、アラゴン王国のフェルナンドとカスティリャ王国のイサベルのカトリック両王の結婚により、イスパニア王国が誕生、のちグラナダ王国を陥落させ、イスパニア統一が完成。
この両家のシンボルがくびきと矢束であり、ファランヘ党はこれを組み合わせたものをシンボルとする。

それがこの党員章。よく弓と矢の束と勘違いしている人がいるようだが、弓ではない。馬や牛の体にかけて車を引かせる、「くびき」である。なんでこんなモノがシンボルなのか、由来は不明だが、なんか不思議なシンボルだ。

さて、スペインのファシスト政党ファランヘ党である。1936年に勃発したスペイン内戦で、左派政権人民戦線政府=共和国軍に対して、反乱を起こしたのが右派軍人のフランコである。共和国軍は、反ファシズムを掲げて国際的に左派知識人や労働者の支援を受け、あの文豪ヘミングウェイも国際義勇軍に参加。一方の反乱軍にはナチスドイツやファシストイタリアからの軍事支援を受け、激戦が繰り広げられた。が、共和国軍は戦略上の失敗やソ連派・反ソ連派の内部分裂などで反乱軍に敗北。

スペインでは第二次大戦への深入りを避け、ナチスドイツやファシストイタリアとの共倒れを逃れ、1975年のフランコの死去まで、ファランヘ党による厳しい一党独裁体制を維持することになる。

このバッジは、ボタンホールに通す足つきのものだが、裏面にはシリアルナンバーが刻印されている。