徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮 金日成バッジ(旧型・軍帽タイプ)

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何を紹介しようか思い付かないのでたまたま手にした金日成バッジでも紹介しよう。

以前、北朝鮮グッズのマニアの人と、金日成バッジの話をする機会があった。ところがなんだか話がかみ合わない。どうも彼の認識では、金日成バッジといえば、よくメディアでも紹介されているアルミ製のカラープリントのバッジだけであるらしく、それより以前に銅製の横顔を浮き彫りにしたバッジのことは全く眼中にない(あるいは知らない)ようなのであった。

私の場合はむしろ古いタイプの金日成バッジのほうに強い関心がある。それはソ連や中国との共産圏における徽章文化を色濃く残したものだ。3代目の指導者時代となった現在の北朝鮮では、完全に失われた過去の香りであるといってよい。古い金日成バッジを見ると、私などは、ああ北朝鮮ってそういや昔は共産主義国だったんだよねえという感慨を抱く。果たして現在の北朝鮮において、金日成の打ち立てた「チュチェ思想」などというものは、いかなる存在であるのだろう?

そういう思いを一気に思い起こさせるのだ、古い金日成バッジを見ると。無論、1代目と3代目の時代では、どちらが人民が幸福であったかという議論は別次元の話で、ただ時代は流れ、歴史は変わっていく。それだけのことだ。過ぎ去っていった時代を振り向いても、私は完全な傍観者に過ぎず、ただいろんな感慨を抱きながら遠く眺めているだけなのである。

さて、画像のバッジは、軍帽をかぶっている珍しい金日成バッジである。私が知る金日成バッジの中で軍帽をかぶっているものはこれしかない。

よく見ると、喉下に見える星型章は、おそらく元帥徽章であろう。そして、左胸に2つ、薄く、見えるものは、共和国英雄メダルだろう。金日成は終生3度、共和国英雄メダルを受章している。このバッジは、少なくとも2度目と3度目の受章の時期に作られたものと推定される。残念ながら、それらの時期が今のところ把握しておらず、ぜひ後で調べておきたい。

(→ ご存知の方は情報をお寄せください!)

最大幅33mmとこの種の金バッジにしては比較的大型で、かなり見栄えのするバッジである。

 

【既出の関連項目】

北朝鮮 共和国英雄メダル

北朝鮮 金日成バッジ (メジャーなタイプの金日成バッジ)