終戦から78年目の夏を迎え、当ブログでも関連の品を紹介してみよう。
画像の盾形のメダルは、その名も「勝利章」とストレート。上の方に小さく文字が見えあまり判然としないが、どうやら「中華中学員生兵災義賑会敬贈」と書いてあるようだ。要は学生などの慈善団体のモノと見える。割と大型で、縦40mm以上ある。リボンで吊るすタイプなのだがリボンは失われてしまっている。
「兵災」とは要するに「戦災」のことで、中国語なのかと思ったら、あまり一般的ではないように感じるが日本語の辞書にもある。
赤く大きく描かれた「V」の字はもちろん「VICTORY」のイニシャルで、この時期の中国の記念章にはしばしば見られる。
面白いのは「勝利章」と書かれている部分で、これは「十の字を二つ連ねた形」を表し、すなわち「双十節(10月10日)」を表す。中華民国の建国記念日で、辛亥革命の契機となった武昌蜂起の起こった日である(1911年10月10日)。このデザインも中華民国のバッジにはよく見られるものだ。
つまりこのメダルは、対日戦争勝利記念と、その直後の建国記念の2つの記念を重ねた記念章なのである。1945年10月に作られたものということがわかる。
彩色はペイントで、青地に赤のV字が描かれた記念章で、残念ながら多くが剥落してしまっている。