救世軍は、ちょっと不思議な嗜好のようにも思えるが、とにかくなんでもかんでも軍事用語が頻出!なのだ。信者だって、この世界じゃ「兵士」と呼ばれる。教区は「小隊」。全世界の救世軍団体「万国本営」のトップに立つのは「大将」。すべてこんな調子だ。
そうなると、ついオトコオトコしたマッチョイズムの団体と連想しがちだが、実際には男女同権にとても熱心なのである。
そんな一面を表しているバッジだ。おそらく1940年代の作。
おそらく特定の人物を表現したものではないだろう。
被ったボンネットは、女性用の救世軍制服に採用されていたものだ。菱形の襟章に描かれた「S」字は、もちろんSalvation Army のイニシャル。
庇護すべき対象として描かれた女性ではない。くちびるにはっきり引かれたルージュと、前方を見据える視線は、彼女の強さと意志を表している。
救世軍の制服はとても地味なものだが、そうであるほど彼女の強さと美しさが引き立つ。
ああ。なんだかいい(笑)。