今日のテレビはもう、荒川静香の女子フィギュア金メダル獲得のニュースばかり。夕刊なんて、どれもこれも1面にデカデカとカラー写真に特大見出し、まるでスポーツ新聞だ。
たしかに、こんな競争率の高そうな花形種目で金メダルはスゴイ。まさか金まで行くとはねえ。よかったよかった。
職場でもけっこう見てた人多かったみたいだし。
私が着目したのは、彼女が首にかけていたメダルそのものだ。なんだかCDみたいなデザインのメダルだなー。ユニークなデザインだとは思うが、私としてはちょっとイマイチかなあ。
メダルの素材などの規格はオリンピック憲章に規定されていて、「金メダルは銀台に6g以上の金メッキを施し銀メダルは純度千分の925以上」なのだそうだ。えらく細かいが、これもメダルの権威を下げないための決めごとなのだろうな。
せっかくの金メダルニュースにちなんで、私も金製バッジを紹介しよう。
バッジの世界においては、最も多く使われているのは銅だろう。これに銀や金のメッキを施しているモノが多い。銀も少なくない。これは純銀であったり、スターリングシルバーであったりする。金は、メッキや金張りの材料としては頻繁に使われるが、金自体を台にしたバッジは多くない。
私のコレクションの中にもあるにはあるが、数は少ない。
その中で、これは特にすごいぞというヤツを景気づけに紹介してしまおう。
「勤労記念章 民国十年唐生智贈」。
唐生智という人物は、民国時代の有力軍人で、民国十年頃には出身地である湖南で湘軍の実力者となっていた頃である。日本との縁で言えば、日本軍が1937年の中華民国の首都南京を攻略したとき、この防衛司令官であったのがこの男であった。没年は1970年。
いきさつはいずれにせよ、正直、これほど私のツボにはまるバッジも少ない。
全体の形は五弁の花形、中央には十八星旗のシンボル(辛亥革命時の革命軍旗。赤地に黒の九角星、星の先端と角の間と中央に黄色い星を18個持つ。共和制に起った18の省を象徴している)を置いている。
私の大好きなシンボルのひとつでもある。
勤労記念章という正体自体がよくわからないが、軍関係のモノと推測している。
全体にあんまり洗練された感じがせず、特に文字の配置や全体のバランスなど、どちらかというとプリミティブな印象を受けるが、これが民国初期のバッジの雰囲気なのだ。
それに、やはり金の輝きが不思議なデザインのバッジに高級感を添え、えもいわれぬ時代感を醸し出す。
鎖先端の棒に製作廠の刻印がおされているのもなんだか好印象。
文句なしに名品。実はかなり高かったんですけど、素晴らしいから許す。