徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 抗戦建国バッジ

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抗日戦争(日中戦争)期の中国のスローガンバッジ。国民党のシンボル青天白日の中央にスローガンが入る。

汪兆銘は、国民党の幹部であるが、日本との戦争が激化する中、徹底抗戦を主張する蒋介石と対立。1940年、ついに袂を分かって南京を首都とするもうひとつの中華民国政府(南京国民政府)の首班となる。
紛らわしいことに、この時期、重慶蒋介石)を中心とする中華民国国民政府と南京を中心とする同名の政府が並立したのである。
汪兆銘自身にそのつもりがあったかどうか、おそらくなかっただろうが、日本は汪兆銘政府を傀儡として最大限活用しようとし、そのとおりとなった。もっとも、蒋介石共産党との合作を経て統一抗日戦線を形成、アメリカなどからの支援を受けながら頑強に抵抗した。

2つの国民党、国民政府だが、対称的なスローガンを用いていたのはおもしろい。汪兆銘側は「和平建国」、対して蒋介石側は「抗戦建国」を掲げた。そして、結局勝利したのは後者であった。

スローガンバッジは多数あるが、青天白日のシンボルと合わせてデザインの明快さが印象的な一品である。この角張ったデザイン的な字体も当時流行したのかよく見かける。