徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 陸軍砲兵学校卒業徽章

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毎年夏になると、60年前の戦争を振り返る番組が放映される。昨夜はNHKで日中戦争についての番組をやっていて、興味深く見た。

1931年の満州事変で、日本への積極的な反撃を見せなかった蒋介石政権。
中国は弱い、と見た一部の日本陸軍幹部は、一撃すれば中国を屈服させることができる、と踏む。軍部は1937年の廬溝橋事件を好機として、日本政府の不拡大方針を無視し、本格的な対中国戦争に乗り出す。政府は軍に対して、現状を追認する。
ところが予想に反して中国軍はしぶとい抵抗を示し、日本軍は思わぬ苦戦を強いられる。中国最大の経済都市上海を制圧され、首都南京は陥落させられ、それでも中国は屈服しない。蒋介石は首都を重慶に移し、さらに抵抗を続ける。国際世論に訴え、外交戦略を展開する中国。
挙げ句、日本は対米戦争を開始。・・・一撃で中国を屈服させるどころか、8年間に及ぶ戦いの末、逆に日本は破滅するのだった。

NHKに触発されて、今日は中国の抗日戦争バッジを紹介しよう。
作製年は不明だが、「誓死抗日(死を誓って日本に抵抗する)」のスローガンから、抗日戦期であることはあきらかだ。「陸軍砲兵学校学員隊軍班第一期卒業証章」とある。
中国のシンボル白日と梅花、そして砲兵学校ということで大砲と地球儀が描かれる。
大砲の描かれ方が非常に単純で、そのため期せずしてユーモラスな雰囲気を漂わせている。

大砲が東向き(地球の右向き)なのは、東洋の国=日本を狙っている様子を表現しているのかも知れない。