徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 日満華バッジ

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この前、「日独伊」ならぬイタリア製の「伊独日」同盟バッジを紹介したが、あのバッジを見て思い出したのがこれ。

裏面にも何も書いてないのだが、見ての通り日満華の3国旗のバッジ
日本国旗を中心に、向かって左に満州国国旗、右に中華民国(カイライの汪兆銘政権)国旗を楕円形の中に納めた小さなバッジである。

ただ、よく見ると、中華民国国旗の上部に黄色い部分が見て取れる。
これは日本のカイライたる汪兆銘政権側が1940~1943年に採用していた旗である。

「抗戦建国」を唱えて日本軍と戦う蒋介石政権側も、「和平建国」を唱えて日本との協調路線を取る汪兆銘政権側も、ともに「中華民国」の国号を号していて紛らわしいのだが、実は双方の国旗もそっくりで混乱する。

汪兆銘政権の中華民国が1940年に成立した際には、青天白日満地紅旗(今の台湾の旗)の上に、黄色の吹き流し状の帯をつけ、そこに「和平 建国 反共」のスローガンを入れていたのである。

ところがどういうわけか、1943年には、この吹き流し部分が削除されてしまったため、「2つの中華民国」は、まったく国名も同じなら国旗も同じ、という状態でにらみ合うことになる。
敵味方の判別すら難しくなってしまうのでは・・・と心配になってしまう。

汪兆銘政権側が誕生した1940年、「相互主権尊重、三者間の善隣友好、共同防共、経済提携」を趣旨とする日満華共同宣言が南京で行われた。
このバッジは、デザインからして1940~1943年の間に製作されたものであることがわかるが、おそらくこの日満華共同宣言記念の品ではないかと想像している。

まあそれにしてもこの手の同盟国バッジって、日本に限らず、いつの時代どこでも同じような感じである。