毎年のこととはいえ、この時期は仕事がたて込んでしまい、どうもブログを書くペースもダウンするが仕方ない。
残業食として、毎晩ボリボリと乾パンを食べている。ただ食べているだけでは飽きるので、バターやマーガリンを付けたりささやかな工夫をして食べると、賞味期限などはるか昔に過ぎた乾パンもけっこういけるのである。夜、静まりかえった職場で取る休息時間。安い緑茶をすすりながら乾パンをボリボリ頬張っていると、なんだか気分が安らいでくるのは不思議である。
まあ家にいるときくらいは仕事を忘れよう。今日は週末だ。そして、コレクターにとってはやっぱり、自分のコレクションを眺めているときくらい心安らぐ瞬間はないのである。
さて、今日のバッジは昔ノミの市で見つけたものだ。銀製でオリジナルのケース付きなのだが、見慣れぬバッジの形状に目がとまった。中国の吊り下げ式バッジはよく見慣れているが、それに比べるとこの鎖はかなり短い。カフスボタンか?と一瞬思ったものの、この形ではカフスの役には立たないし、対になってもいない。やはりバッジ以外の何ものでもない。
そこで何のバッジかと裏を見てみれば、「金沢市行啓委員会」とある。かなり古そうなバッジではある。
ところで「行幸」と「行啓」がどう違うかというと、行幸は天皇の外出、行啓は皇太子や皇后・皇太后のそれを指す、のだそうだ。
年代が特定できないのが残念だが、皇族を迎えるため、役所などが中心となって組織が作られ、そのメンバーのものなのだろう。
このユニークでジャパニーズテイストあふれるバッジは、金沢の伝統工芸を意識して作られたものだろう。桐の花?のような形状と、漆塗りを思わせる七宝に金沢工芸の味わいを見て取ることができる。