徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 紅衛兵 天津市中学紅代会

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この間復刊になった「私の紅衛兵時代 ある映画監督の青春」(講談社現代新書)を読み直した。友人とこの本について話題になったためで、昔読んだ記憶はあるのだが、本屋で見かけたので買ってみた。
忘れた部分も多く、興味深く読んだ。無邪気な少年たちが、いかにして政治の激動に巻き込まれていったか。自らの境遇とあわせて、彼の友人たちのエピソードもおもしろかった。

著者は、日本でも有名な映画監督、陳凱歌(チェン・カイコー)。
黄色い大地」「さらば、わが愛/覇王別姫」「花の影」「始皇帝暗殺」「北京ヴァイオリン」などなど、日本でヒットした作品も多い。

陳凱歌は、北京の比較的恵まれた家庭に育ち、名門中学に進学するも、その直後に文化大革命が勃発。自らも紅衛兵運動に参加する一方、映画監督でもあった父親が国民党員だったため、迫害を受けることにもなった。下放運動では雲南省で山野の開墾事業に参加、厳しい自然環境で労働に従事したという。
覇王別姫」「子供の王様」など、彼の映画での文革描写を改めて思い出す。ああいう光景を、彼は見、聞き、体験してきたはずである。

そして、彼の体験は決して珍しいものではない。今50代半ばとなる世代の多くが体験してきたと思うと、改めてスゴイものがある。文革の収束、そして改革開放、高度経済発展。文革を知らない世代とのギャップは、日本の戦前・戦後の世代のように大きいのだろう。

画像は、天津中学紅代会(紅衛兵代表大会)の胸章。「紅衛兵」の時代は毛沢東の字体。裏面に安全ピンがついていて、これで服につける。