先日引っ越しを行った私だが、コレクターの引っ越しというのは、それはけっこう大変なもので、ある程度ものを限定して持っていかざるを得なかった(残りは実家で保管)。コレクションの制限要因は、結局住居のスペースなのだということを改めて痛感した次第。でもまあ、少なくともひとつひとつなら小さなスペースで済み保存に手間がかからないバッジなどというものはまだマシな部類なのかもしれない(と自分を納得させている)。
そんなわけで、引っ越し作業を通じて改めて自分のコレクションの全貌を再確認したのだが、自分のコレクションの素晴らしさに陶然とすることしばしば。著しく作業の妨げとなってしまった。
そこで今回はちょっと番外編として、徽章でなく印章を紹介する。革命篆刻で思い出したのが恐るべき一品だ。「長征記念歌詞」というのは、毛沢東の作った漢詩「七律 長征」のこと。
幅約60mmほどの印で、天安門の形をしているのだが・・・よーく見ると、なんと「長征」の歌詞が天安門の図柄として書き込まれている!「紅軍不怕遠征難、萬水千山只等閒。・・・(紅軍は遠征の難きを怕れず・・・)」という有名な詩で、歌にも歌われている。
幅約60mmほどの印で、天安門の形をしているのだが・・・よーく見ると、なんと「長征」の歌詞が天安門の図柄として書き込まれている!「紅軍不怕遠征難、萬水千山只等閒。・・・(紅軍は遠征の難きを怕れず・・・)」という有名な詩で、歌にも歌われている。
材質は水牛の角で、厚みは30mm弱。全体に若干の劣化はあるものの、印面の状態は良好。押すと見事な陽刻の陰影が現れる。
なんというか、伝統工芸と文化大革命精神の奇妙なコラボレーション。見事。