徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 GHQ日本上陸記念メダル

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1945年8月、ついに終戦。翌9月、連合軍が日本にやってきた。GHQによる占領統治は1952年4月まで継続することになる。

今のイラク情勢を見るにつけ、様々な事件はあったものの日本における占領統治がいかに順調であったか、比べものにならないくらいだ。まあ諸事情が違いすぎるので比較すること自体が難しいのだが・・・。

国民感情を刺激しないよう、国連軍(実質はほぼアメリカ軍だが)は「進駐軍」と呼称されたが、日本の行政府のこうした言い換え語の巧みさには、私はいつも本気で感心している(注:感心できない例もあるけど)。

さて、このGHQという組織名称だが、「General Headquarters」=「総司令部」という一般名詞なので、日本以外では「GHQ/SCAP General Headquarters/ Supreme Commander for the Allied Powers」=「総司令部/連合国軍最高司令官」というふうに言わないと何を指すのか不明になるそうだ。

今日の一枚はこのGHQに関するもの。
ところが、表記は「G.H.Q..U.S.ARMY FORCE.PACIFIC」と書かれてある。

ややこしいことに、こっちのGHQは、「総司令部」でも、日本の占領統治を行った「連合国軍最高総司令部(GHQ/SCAP)」ではなく、連合国軍に参加しているアメリカ軍、アメリカ太平洋陸軍総司令部 (GHQ/AFPAC; GHQ/U.S. Army Forces, Pacific) 」のほうなのである。

そして、さらにややこしいことに、GHQ/SCAPは実態としてはGHQ/AFPACの機構を転用して作られていて、そのトップはどちらもダグラス・マッカーサー
つまり、2枚看板を掲げていたわけだ。

このメダルを見てもわかるとおり、描かれている建物は、日比谷にある第一生命ビル。ビルの上には星条旗が翻っている。この建物は、GHQ/SCAPの本部として使われていたものだ。
今もこのビルはほとんど当時のまま現存していて、マッカーサー総司令官室が一般にも公開されているそうなので、今度機会があったら是非見てこようと思っている。写真で見ると、周囲にビルが増えていること以外、街路樹の様子までほとんど当時と変わっていないようだ。今度日比谷に行ったときよく見てこよう(マッカーサーが執務した部屋も、記念室として保存されているそうだ)。

そんなわけで、連合国軍のほうのGHQの建物が描かれたメダルに、アメリカ軍太平洋陸軍のほうのGHQの名称が書かれているのではないかと想像している。
まあどっちも実態としてはほぼ同じなので、あんまり悩まないでもいいとは思うのだけど。

裏面には「TO MEMORY OF LANDING IN JAPAN」とある。おそらく日本で作られた記念品だろう。