徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

大日本 彼南(ペナン)政庁吏員バッジ

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北は樺太から南は南太平洋諸島まで、大日本帝国の版図は広かった。第2次大戦中は東南アジアでもヨーロッパ帝国主義諸国を蹴散らして、さらに勢力圏を拡大する勢いだったのが、無茶な自転車操業は所詮長続きせず、結局は母屋まで失ってしまうというオチであった。

今日の一枚はその名残とも言うべきか。
1941年12月、日本軍はマラッカ海峡の要衝ペナン島を占領、終戦まで統治下に置いた。
大日本彼南政庁吏員」と書かれたこのバッジは、この4年に満たない期間、この島の役人がつけたモノである。「彼南」は、ペナンの漢字表記。裏面にはシリアルナンバーが刻印されている。
このバッジは、どうやら日本人ではなく、現地採用の人間がつけていたモノと思われる。
ごく簡単な粗製のバッジだが、赤いペイントの日の丸と、「大日本」の文字が、精一杯の日本の国威を表現しているようにも見える一枚だ。