徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 大政翼賛会・大日本翼賛壮年団バッジ

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画像右が大政翼賛会、左が大日本翼賛壮年のバッジである。
戦時中のバッジの類ではかなりよく見かけるほうだろう。

1940年、戦局の拡大に伴って「一国一党」を目指した運動として誕生した大政翼賛会ナチスドイツの体制に倣ったものとも言われる。
総理大臣を総裁とし、都道府県、市町村、町内会に至るまで組織された。どうりでバッジも大量に見かけるわけである。
大日本翼賛壮年団は、翼賛運動の実践組織として作られた、大政翼賛会の下部組織。

で、バッジだが、いずれもアルミ製・ペイント彩色の作り。そのため、ペイントがはげたり、白いサビをふいてボロボロになったバッジもかなり見かける。
改めて見てみると、大量生産には向いたかもしれないが、正直、かなり粗製濫造という印象は否めない。まあしかたないかもしれないけど。

黒い鳥が赤い日輪を抱くように羽を広げたデザイン。
直線と円で構成されたデザインは、明らかにナチスドイツのライヒアドラー(国家鷲章)にインスパイアされたものだろう。
大政翼賛会自体、ナチス体制を模したともいわれているが、こんなところにもその発想が現れているような気もする。

もっとも、この時代(昭和10年代中頃)は、こういうデザインが流行ったようで、例えば、前に紹介した紀元二千六百年記念バッジでも日輪と鳥というモチーフが使われている。