徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 大日本労務報国会 特能競地域大会三等会長章

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1940年。大政翼賛体制の中、かつては百花繚乱の観すらあった諸々の戦前の日本労働運動は、ついに終焉を迎えた。それまでの労働組合は、大日本産業報国会に組み込まれ、労使一体となった戦時体制へと構築されることとなったのである。
しかしその実態は、労働年鑑いわく「かくて、労働組合の廃墟のうえに、1940年11月23日、大日本産業報国会が結成されるにいたった。それは550万の労働者を組織したが、労働組合とは似てもつかぬものであり、内務省および厚生省が支配する膨大な戦時動員と抑圧の官僚機構であった。産報は、労働者を強制的に軍需生産へかりたて、資本家には無制限の搾取を保証する奴隷的労働の組織であった。こうして戦争体制は完成され、翌1941年末に、いよいよ太平洋戦争が開始された。」

産業報国会ではいくつかの産業部門別に部会が設けられたが、1942年、それに遅れて日雇労務労務供給業者、作業請負業者などからなる「大日本労務」が設立された。こうして産業界挙げての戦時体制が確立されたのである。

産業報国会のバッジはたまに見かけるが、労務報国会のはあまり見たことがない気がする。ただのメンバーバッジではなく、「特能競地域大会三等会長章」である。見た目よりもかなり分厚いツクリで、よい出来である。会の主催による技能向上のための競技会表彰バッジと思われる。この「桜に5枚の日章旗労務報国会のシンボル」なんだろうか?産業報国会は「桜に産業報国の4文字」なのだが。