徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イタリア フィレンツェ銀器博物館 ~イタリア旅行編その3~

さて、ヴェネチアを離れた我々が次に向かったのは、トスカーナ州の州都、ルネッサンス芸術が輝いた花の都・フィレンツェであった。
どうでもいいことのようにも思うが、「トスカーナ」、「フィレンツェ」って何とも語感がいい。のびやかで、なにか優しさを感じさせる。
やっぱり、花の都といえばパリじゃなくてフィレンツェのほうがふさわしいよなあ、とも思う。

フィレンツェといえば、メディチ家である。この町は、21世紀の今になっても彼らの遺産で食ってるんじゃないかと思うほど、膨大な芸術や建築を残している。その量たるや、とにかくすさまじい。メディチ家は金融業で財をなした資産家一族だが、金の使い方ってのはこうだよな、とも思った。21世紀の今どころか、これから遙か未来にわたって彼らの残した遺産は人類の財産として残るだろうと。
私は普段あまり絵画を鑑賞したりする趣味はないのだが、この旅行中はもう死ぬほどたくさん見た。アカデミア美術館もウフィツィ美術館もヴェッキオ宮も見た。

それと、ヴェネツィアでもさんざん見たが、大教会にもあちこち行った。教会は開かれた場なので、中に入るにも参観料など基本的には取らない。
フィレンツェのシンボルとなっているのが、Santa Maria del Fiore、花の聖母教会だ。煉瓦色の古く美しい町並みに、一段と高く丸いドゥオーモがそびえる光景はあまりに有名だ。
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実際近くに行ってみると、カメラに入りきらないくらい、とにかくデカイ!それもそのはず、高さは100mを超える。遠目に見ると優しげで女性的イメージが強いが、近くで見ると大迫力。ただ、圧倒される。

フィレンツェ観光はこの大聖堂が中心なのだが、アルノ川の向こうにはピッティ宮殿(Plazzo Pitti)がある。あ、コレおもしろそうだなーと気軽な気持ちで行ったら、ここがまたバカデカイ!
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(宮殿後ろに広がるボーボリ公園Giardino di Boboliから見たピッティ宮殿)

宮殿は今では各種博物館・美術館になっていて、中でもパラティーナ美術館は、ド派手な部屋に所狭しと絵を飾っていて圧倒される。

他にも、銀器博物館 Museo degli Argenti というのもあって、私は実はコレがおもしろかった。

やっぱり絵画よりもブツなんだよなあ、私の気を惹くモノっていうのは・・・
銀器とは言っても、陶器や象牙細工、アクセサリーの類も多く、いやさすが金持ちのコレクションはモノが違う。そう、これらはすべてメディチ家の所蔵品だとのこと。

その中でも、なにコレえーすごいーと無邪気に感心してしまったアクセサリーの展示があった。
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何をモチーフにしたのかはよく分からないが、人魚みたいな人物がかたどられている。これはペンダントトップか。たぶん17~18世紀の作である。
しかしまあ、よく見てもほしい。この豪華さ。金の地(たぶん純金)に白い七宝を施し、赤く見えるのはルビー。人物の腹や尾に見える透明の石はダイヤのようだ。人物が脇に抱えているものや頭上、体の下に吊り下がるのは真珠。むろん昨今の養殖モノではない、天然真珠である(当時養殖真珠はまだない)。
そして、何よりアクセントになっているのが、胸の部分にはめ込まれた変形真珠。作者は、真珠のこの形を男性の胸部に見立てたわけだ。
素材の豪華さばかりに目を奪われてなならない。この細工の細かさ、すごいというほかない。

ここに紹介したのはただの一例だ。こんなものがズラリと展示されている様子を想像してほしい

・・・ま、一応このブログに趣旨に近いモノを紹介したところで、本日のオチといたします(バッジじゃないけどご容赦のほどを)。続きはまた次回。