徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イタリア Battaglia di Roma ! ノミの市に参戦!~イタリア旅行編その9~

今回は観光旅行がメインとはいえ、やっぱりイタリアのバッジを買ったりしたいよねーという思いやみがたく、そのための時間も旅行スケジュールも組み込んだのだが、事前に情報収集した目的地ではすべて空振り!行くところ行くところ、すべてダメ!
それも、全然場違いという感じなのだ。いったいどこに行けばバッジの収集などできるのだろう?もうほとんど途方に暮れてしまったものだ。

そんなことが続いたせいで、やる気満々だった私もさすがにめげてきたのが事実。はるばるイタリアまで来て、手ぶらで帰国しなきゃいけないのかと思うと・・・そのための金まで用意してきたのに、全然使わなくて済んでしまうのだろうか。

最後のチャンスは、翌日に帰国を控えた日曜日だった。まさかこんな背水の陣までなるとは思わなかったが仕方ない。
最終日ということで、この日は同行者と別行動とした。ただし午後2時までにホテル集合のタイムリミット。

最後のチャンス、と私が出かけたのはローマのノミの市である。幸い、朝から晴天。地下鉄を乗り継ぎ、朝のさわやかな空気を味わいながら目的地に向かう。
大きなノミの市だが、はて、いったいどこに古物を扱っているところがあるのだろう。なんだか衣料品とか雑貨ばかりが目立つ。なんだかイメージと違う・・・イヤな予感がする
正直、かなりジャンクな、というかほとんどゴミみたいなものを売っている店も少なくなかった。
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(ゴミを漁る客。これが売り物だというのにも驚くが、この中から買うものを探そうという客にもビックリだ)


ああ、結局ダメなのかな今回は・・・とあきらめかけたところで、遠目にも明らかな古家具などをおいているコーナーを発見。行ってみると、アンティークの露店がズラリと続いている場所が!
集中的に一店一店をチェックしていくと、わずかに古いバッジを並べているところもある。今回は収穫ゼロに終わらなくて済みそうだ、と確信した
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(どの国のノミの市も似たような感じであるなあ)

そしてついに、私の目を引きつけるものが・・・古いポストカードの類を並べている露店があったのだが、テーブルの奥の方に、ケース入りの勲章を見つけた。それも2つ。さらにその周りにはバッジがいくつか並べてある。
さて、この勲章は何だろう。名称も不明ながら、幸いそのうちのひとつはわずかに見覚えがあった。イタリアの勲章であることは間違いない。
ちなみに、付け焼き刃のイタリア語が、このノミの市ほど役に立ったことはない(ホテルや観光地では英語で済んでしまったからだ)。値段交渉も、片言のイタリア語で。まあ、こういう場では言うことなど全世界共通だろう。
まず、店主に声をかけて勲章を見せてもらう。

コレクターの目が光らせる。どちらもオリジナルケースであることは間違いない。ひとつは略綬がかけているが、もう一方はミニチュアメダルと2種類の略綬ともにそろった完品だ。
勲章本体の状態を調べる。パーツが別付けだったり、接着剤で直しが入ってないことを確認。七宝の傷み。リボンの傷みはどうか、裂けたり切れたりしていないか。
片方に略綬が欠けていること、勲章本体にややサビが見えるものがあることを除き、全体として良いモノであることを確認。

片方ずつ値を尋ねると、両方同じだという。ひとつについて値引き交渉を行い、少し安くしてもらったところで、では両方買ったらいくらかと尋ねると、さらに若干の値引きに応じてくれた。
私はあまり値引き交渉で粘る方ではないので、それでOKした。
店主のオヤジも開店早々商談がまとまったことに満足そうで(もちろん売った値段にも満足したのだろう)、上機嫌で私に握手を求めた。

もちろん私もうれしかったのは言うまでもない。ここまで収穫ゼロだったのが、やっとなかなかの大物に出会えたのだから。
その後も私はノミの市を歩き回った。そして、ここでひとつ、あそこでひとつという具合に、いくつかのバッジを集めることができた。それでも、朝一番に出会った勲章ほどのモノは他では見ることができなかった。ラッキーだったと言うべきだろう。
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(国柄か、キリスト教関係のグッズもかなり多い)

日が昇ると、ずいぶん暑くなってきた。上着を脱ぎ、汗をぬぐった。どんどん人が増えてくる。
もうこれ以上見ても収穫はないと判断するまで、私は何回も歩き回った。もうすぐ正午。そこで私は切り上げることにした。帰る途中、一か所見ていきたいところがあったからだ。

正味4時間。私はこのノミの市で、勲章2つ、バッジ十数個を手に入れた。
この収穫に、疲れてはいたが、帰る足取りは軽かった。

イタリアは、意外と物価が高い。
私が買ったバッジは、安いのも高いのもあったが、全体にはやや高いと感じた(最初に買った勲章は実は意外に安かった)。そして、バッジの類は多くない。もっといろんなバッジにあえるかと思っていた私には残念だった。

それから、スリが多い、とされるイタリアのノミの市だが、確かに怪しいヤツがいた。私も怪しいな、とその時思ったのだが、露店の店主がふと私に目配せをして「気をつけて、バッグは体の前にしな」と注意してくれた。ローマの地下鉄でも怪しいのに会った。

うーむ、中国でもスリは多いと言われるが、ここまで露骨な体験はしたことがない。それが、たった一度のイタリア旅行でこのアリサマ。困ったものだなあ。

収穫品はまた後で紹介します。