徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 旭日勲章の略小勲章(ミニチュアメダル)

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昨日文化の日は、秋の叙勲が発表された。合計4,061人の受章が決まったという。平成15年に制度改正が行われて、等級の廃止(ただし呼称に数字を用いないだけ)、種類の簡略化などが行われてからもう5年もたつわけだが、どうもいまだになじめない私である。

さて、黒漆塗りの勲章ケースの中には勲章本体と略綬が入っている(勲四等瑞宝章の例)。
本体を身につけるときにはそれなりの服装をしなければいけないことになっているが、略綬は平服につけることもできる。だが、日本の場合、略綬はリボンを丸めたような形をしているが、これじゃあどうも、せっかくつけてもいまいちアリガタミに欠ける、と思うのも人情だろう。
地味な勲章なんて誰も欲しがりゃしない。勲章はハデさが命なのである。

そのためかどうかは知らないが、諸外国の例に倣って、日本でもいわゆるミニチュアメダル、正式には略小勲章も制度として定められている。小さいながら勲章そっくりに作られていて、見た目からして略綬よりもずっとアリガタミがある。

ただし、日本の場合、この略小勲章は初めから勲章にセットで付いてくるのではなく、受章者が造幣局へ申請した上で有償で購入する形を取る。受章者に限定されてはいるが、要は別売品ということになっている。
ちなみに、今では造幣局販売事業課略小勲章係が窓口になっているようである。いくらするのか気になるところだが、販売価格はサイトにも出ていない。昔どこかで価格の一覧を見た気がするのだが、けっこう高いなと思ったものである。

今日の画像は、等級不明の旭日章の略小勲章である。旭日勲章は表裏同型の勲章として知られるが、略小勲章の方もやっぱりちゃんと裏面も作られていて、かなりこだわりを感じる。小さいながら、七宝の彩色もかなり細かく施されている。大きさは一円玉と比較してほしい。
この前紹介したイタリア共和国功労勲章でも思ったことだが、どうやらこの略小勲章は、小さくて精巧にできていることに意義があるようである。

もっとも、テレビ以外では、私は勲章本体はおろか、略綬やミニチュアメダルすらつけている人は見かけたことがない。
まあこれは受章者の一種のテレというか、もらった勲章などを見せびらかすのを良しとしない感覚が働いているせいかもしれない。それは悪くないことだろうと思うのだが。