徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 勳八等瑞宝章

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今日も「ありきたり」シリーズ。と言っても、今回はれっきとした正式な勲章だ。

平成15年の改正でなくなってしまった勳八等瑞宝章である。
「勲等を簡略化すべし」という意味不明の理由により、旭日勲章も瑞宝勲章も八階級から六階級に変更されたからである。つまり、かつての8階級あった瑞宝章の最下級だ。
それにしても、8個のモノを6個にするのが簡略化なのか、もし簡略化が目的ならすべての勲章を単一階級にすれば済む話で、理由もなっていなければ、その対策にもなっていない改正であった。しかも、「等級は人を差別する」などというバカみたいな理由で、「何等」という表現もなくしたのである。等級は歴然とあるのに、等級の数字だけをなくしたのだ。

したがって、これを私は「改悪」と罵ってやまない

それはとにかく。
七等八等の旭日章瑞宝章は掃いて捨てるほどある。数が多い上に、ご覧の通り魅力に欠ける勲章なので、ノミの市でも捨て値で売られているのが現実である。
たとえ下位勲章でも、天皇の名において賜った勲章である。授与された人は、それなりに光栄に思ったろうがなあ・・・と思うとちょっと切なくもなる。

私のように古いバッジを集めていると、たまにそういう感慨にとらわれる。
いったいこのバッジは、誰がどうして手に入れたものか。それはどんな人で、どんな時に彼の胸を飾ったのか。そして、彼亡き後、いかなる人たちの手を経て私の元にやってきたのかと。
どんなに考えたところで、その答えは絶対に出ることがないのだが。

というわけで、こんなちっぽけな勲章であろうと、かつては誰かの胸を飾り、彼を誇らしげな思いにさせたことがあるかもしれないと思うと、少しだけ愛おしくなろうというものである。

【既出の関連項目】
勲二等瑞宝章
勲四等瑞宝章