徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 褒章代用章

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私の知人の祖父が、以前褒章を受章したらしいのだが、それをかぎつけた怪しげな会社から記念品や書籍の購入などの売り込みがたくさんやってきたという。叙勲者に対して、強引な勧誘や虚偽の説明で高額商品を売りつけていた業者が、経済産業省から業務停止命令を受けた事件があった。

その問題の企業絡みの日本叙勲者協会なるところが作った叙勲者章を紹介したことがあるが、褒章にも「代用章」というのが存在する(ただしこちらはどこが作ったものかは不明)。
最近安く手に入れたので紹介しよう。

一見議員バッジを連想させる金の菊紋に茶色のザブトン付き、紐付きのバッジである。中央には「褒」の字が見える。裏面には、「褒章代用章」「金張」の刻印がある。
おそらく、この種の記念品では通例のことで、かなりの高額で購入されたと想像される。まあ流れ流れて私のコレクションに加わる時にはもう二束三文となっているわけだが・・・

しかし、前にも書いたが、そもそも褒章の代わりとしてバッジを作ってそれを身につけるということ自体、大いなる矛盾である。本来は、つけたければ褒章そのものを使えばよいのであり、平服であれば本章の代わりに略綬を使えばよい。それが略綬の存在意義なのだから。

というわけで、存在自体が本来意味不明の褒章代用章
でも、受章したのがうれしくてたまらない人の中には、こんなものでも「記念だから」と買ってしまう心理が働くのかなあ。栄典の恐ろしさというか、なんというか。
悪徳商法の種は尽きないものである。