各自治体には、まさに勲章モドキともいうべき様々なユニークなアイテムが存在していることをご存じだろうか。
国には天皇が与える形式の勲章という栄典制度があるが、自治体にも類似の制度がある。それぞれの長が贈る、文化功労賞、善行章、名誉市民章などなど・・・がある。
まあ名称は色々あるが、重要なのは、表彰のシルシに徽章を贈って佩用させることだ。これがポイント。
国には天皇が与える形式の勲章という栄典制度があるが、自治体にも類似の制度がある。それぞれの長が贈る、文化功労賞、善行章、名誉市民章などなど・・・がある。
まあ名称は色々あるが、重要なのは、表彰のシルシに徽章を贈って佩用させることだ。これがポイント。
さて、そんな勲章モドキ=市の功労章をひとつ取り上げてみよう。実はこれ、けっこう私のお気に入りである。
画像は、静岡県熱海市の功労章である。
「熱海市表彰条例」で定められており、その種類は、(1)名誉市民、(2)功労賞、(3)善行賞の3種類がある(条例第2条)。
画像は、静岡県熱海市の功労章である。
「熱海市表彰条例」で定められており、その種類は、(1)名誉市民、(2)功労賞、(3)善行賞の3種類がある(条例第2条)。
では、功労賞はどういう人がもらえるのかというと、
(1)市長として満8年以上在職し、その功労が顕著な者
(2)市議会議員として満12年以上在職し、その功労が顕著な者
(3)副市長として満12年以上在職し、その功労が顕著な者
(4)法令に定める市の各種委員として満20年以上在職し、その功労が顕著な者
とされている(同4条)。
(1)市長として満8年以上在職し、その功労が顕著な者
(2)市議会議員として満12年以上在職し、その功労が顕著な者
(3)副市長として満12年以上在職し、その功労が顕著な者
(4)法令に定める市の各種委員として満20年以上在職し、その功労が顕著な者
とされている(同4条)。
「表彰(善行賞は除く)は、市長が被表彰者に表彰状、き章及び金品を贈呈し、その功を称える。」(同6条)とあって、ちゃんと徽章を贈ることもここで定められている。
徽章の形状の方は、「熱海市表彰条例施行規則」で定められ、白黒写真とともに次のように説明がある(規則別表3)。
徽章の形状の方は、「熱海市表彰条例施行規則」で定められ、白黒写真とともに次のように説明がある(規則別表3)。
「功労章制式
主章
旭光月桂樹中央部市章入
縦34mm横34mm厚さ4.5mm
七宝入市章部朱赤色旭光部白色 葉部緑色 葉内リボン及び果実部朱赤色 裏面に番号を刻印
材質 純銀台金メツキ1ミクロン以上」
標示板 長方形
縦13mm横40mm厚さ1.5mm
「熱海市功労章」文字入
材質 純銀台金メツキ1ミクロン以上 」
主章
旭光月桂樹中央部市章入
縦34mm横34mm厚さ4.5mm
七宝入市章部朱赤色旭光部白色 葉部緑色 葉内リボン及び果実部朱赤色 裏面に番号を刻印
材質 純銀台金メツキ1ミクロン以上」
標示板 長方形
縦13mm横40mm厚さ1.5mm
「熱海市功労章」文字入
材質 純銀台金メツキ1ミクロン以上 」
まあ、長々書いたが、自治体における表彰用徽章(勲章モドキ)はこんなふうに定められている、という一例である。
ところで、それはよいのだが・・・いま一度この功労章を見てほしい。
「はて、どこかで見たことあるような?」と思った人は、このブログ「徽章はバッジにしてピン」閲覧者にふさわしい。それなりの素養をお持ちである。
「はて、どこかで見たことあるような?」と思った人は、このブログ「徽章はバッジにしてピン」閲覧者にふさわしい。それなりの素養をお持ちである。
これ、実はフランスの勲章、赤いリボンがシンボルの、世界中の勲章の中で最もよく知られた「レジョン・ド・ヌール」のパクリなのである。
(参考:レジョン・ド・ヌール、シュバリエ級)
(参考:レジョン・ド・ヌール、シュバリエ級)
このふたつを見比べてみると、その類似っぷりは明らかであろう。おもしろいのは、功労章制式の説明にあるとおり、真ん中にシンボルの市章を入れているわけだが、そのシンボルたるや、まさに温泉マーク! さすがは熱海だ。
フランスの勲章と温泉マークの組み合わせという、ミスマッチさが何とも言えない。フランス人が見たらどう思うだろうかね、これ。
フランスの勲章と温泉マークの組み合わせという、ミスマッチさが何とも言えない。フランス人が見たらどう思うだろうかね、これ。
しかし、子細にこの功労章を手にとってみると、ツクリは非常に良くて、ホンモノのレジョン・ド・ヌールよりはずいぶん小振りながら、思いのほか厚みがあり、純銀製ということもあって、手にとったときのズッシリ感が印象的だ。
全体の成型もいいし、七宝やメッキの雰囲気もとても好ましい。たぶん、画像で見るより、手にとってみるとずっとよい。
箱を見ても製作メーカーの名前がどこにも記されていないが、実に評価すべき仕事ぶり。私は正直感銘を受けた。
全体の成型もいいし、七宝やメッキの雰囲気もとても好ましい。たぶん、画像で見るより、手にとってみるとずっとよい。
箱を見ても製作メーカーの名前がどこにも記されていないが、実に評価すべき仕事ぶり。私は正直感銘を受けた。
こうした徽章による表彰する制度を持つのは、自治体だけではない。様々な企業でも広く行われている(あるいは、かつて行われていた)。ここに、徽章・バッジという小道具の、社会的な存在意義を見ることができる。
改めて考えてみると、なんかおもしれえよなあと思うのだが。
改めて考えてみると、なんかおもしれえよなあと思うのだが。