徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 人民解放軍胸章

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今日は中国のミリタリーネタで。

かつてはこの辺のアイテムもずいぶん熱心に集めていたものだが、最近はとんとご無沙汰である。別に興味がなくなったわけではないのだが、それなりにいろいろと見慣れてくると、おおっこれは!という発見の喜びも薄れてくるわけで、主観的・相対的な意味で良いモノがあまり手に入らなくなったといった方が適切だろう。

さて。
まず1枚目の写真だが、解放軍の兵隊さんの肖像写真である。撮影時期は書かれていないが、だいたいは推理はできる。

軍服からもわかるとおり、1955年式が導入される前である。また、左胸につけられたふたつのメダルは、向かって左が1950年の解放西南勝利記念メダル、右が1954年2月の全国人民慰問人民解放軍代表団贈の記念メダルだ。
このことから、1954年ころの写真とほぼ断定できる。

ということは、朝鮮戦争はすでに停戦がなっているわけだが、この兵士は朝鮮戦争関連のメダル・バッジが見あたらないので、1950年にはすでに入隊していたのにも関わらず、朝鮮戦争には従軍せずじまいだったのだろう。朝鮮戦争に参加した兵士は、必ずそれらのメダル類をこれでもかと身につけて写真に収まるのが普通だからだ。

この人がつけているメダルについては上述のとおりだが、そのメダルの下に名札のようにつけているのが解放軍の胸章である。この時期の解放軍はみなこの胸章をつけている。

手元にある胸章をスキャンしたのが2枚目の画像。かなり色落ちしているが、まあだいたいこんな感じのものだ。
材質は木綿。表面は赤枠に「中国人民解放軍」と明朝体で書かれ、裏面には氏名、所属部署、職種、使用年などが書かれている。通常、発行者のものと思われる角印が真ん中に押されている。
この胸章は、民国38年(1949年)とあり、ということは、同年10月の建国宣言以前に作られたものなのだろう。

初期の人民解放軍というのは、なんというか、何とも味わい深い感じがして、実に興味深いものである。