徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 普通選挙記念メダル(1925年)

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明日はいよいよ衆議院選挙。それも、かなり画期的な選挙となりそうだ。
私はすでに一昨日、期日前投票をやってきちゃったんだけど。明日の選挙速報がちょっと楽しみ。

今回は国民の関心が高く、投票率も前回より上がる可能性が高そうだが、毎度投票率をアップさせるため、当局はテレビで宣伝したりポスターを貼ったりと、さまざまなPRが行われている。それにしても全体の投票率は6割程度、特に若年層の投票率が際だって低いなど、毎度問題とされているところだ。
いっそ、棄権には罰則、だの、普通選挙制度なんかやめちゃったら?などという極論が聞かれるゆえんである。

大日本帝国憲法下で、普通選挙法(ただし男子に限る)が成立したのが1925年(大正14年。それまで納税額による制限があったのを撤廃し、25歳以上のすべての男子に選挙権が与えられた。

今日紹介するのはその時の記念メダル。
表面には両手を広げた男性裸像と暁を告げる鶏である。その背後には、うっすらと日の出が見える。裏面には国会議事堂が描かれている。小さく「普通選挙記念 紀元二五八五年(=1928年)」と篆書漢字が見える。
普通選挙が実際に行われたのは第16回衆議院選挙(1928年)。
ということは、このメダルは普通選挙実施の記念ではなく、普通選挙法成立の記念として作られたメダルということになる。
国会議事堂はともかく、男性像や鶏、旭日は、「新しい時代の幕開け」を象徴として採用されたデザインであろう。もっとも、現実には、当初から悪法と批判が集まっていた治安維持法も成立したことで、アメと鞭、などといわれているわけだが・・・
さらに、女性の参政権は、戦後のGHQによる政治改革まで待たねばならない。
真の夜明けには、まだまだ先は長いのであった。

原型制作者の名前が小さく彫られていて、それによるとおそらくは造幣局製と思われる。実写的な彫刻表現だが、全体に彫刻の彫りは浅い。