徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 韓国併合記念章

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あけましておめでとうございます。あわただしくも、今年もなんとか平和な新年を迎えることができました。なにより慶賀すべきことです。

さて、今年は2010年。2千年代に入ってもう10年が経つのかと感慨深いが、新聞を読んでいたら、今からちょうど100年前に韓国併合の年であったという記事が目に入った。おおそうか、確かに1910年だ。

というわけで、今日の一枚は韓国併合記念章
この記念章は、明治45年勅令第56号「韓国併合記念章制定ノ件」で定められている。

目的は、「第一条 韓国併合記念ノ表章トシテ特ニ記念章ヲ設ク」。
そして、そのデザインは次のとおり。
「第二条 記念章ノ図式左ノ如シ
  章 黄銅円形径一寸輪廓内表面上部ニ菊御紋、両側縁ニ桐樹及李樹ノ花枝ノ図、裏面上部ニ明治四十三年、下部ニ八月二十九日、中央ニ韓国併合記念章ノ文字ヲ識ス (以下略)」
メダルに描かれている花は、向かって左が李、右が桐らしい。

そして授与対象者は、
「第三条 記念章ハ左ニ掲クル者ニ之ヲ授与ス
 一 韓国併合ノ事業ニ直接関与シタル者及韓国併合ノ事業ニ伴フ要務ニ関与シタル者
 二 韓国併合ノ際朝鮮ニ在勤シタル官吏及官吏待遇者並韓国併合ノ際ニ於ケル韓国政府ノ官吏及官吏待遇者
 三 従前日韓関係ニ於テ成績アリタル者」
とされている。
韓国併合明治43年(1910年)だから、明治45年(1912年)のこの勅令はその2年後。実際に製作されたのもこの頃だと考えてよいだろう。だから正確には、このメダルは100年前ではなく、98年くらい前に作られたモノということだ。

聞くところによると、マニア市場ではこのメダル、けっこうニセモノも出回っているのだそうだ(この一枚はホンモノと思うが自信ない)。というのも、けっこう韓国人の人気があるからとか。
よりによってなんでこんなモノを欲しがるのか・・・と思わなくもないが、韓国併合といえば、韓国人にとっては歴史的大事件だ。やっぱり縁もゆかりもないモノより自国の歴史に深く関係するモノの方が関心を惹くわけである。たとえネガティブなモノであっても。

最近中国人マニア間で、ますます満州グッズ人気が高まっているような気がするが、これも同じ理屈だろう。それは、彼らが「偽満」を評価しているわけではなく日本びいきであるわけでもなく、反発は感じつつも、それを自国の特異な歴史場面と捉えているからだと思う。

このメダルは、他のメダルが欲しかったのでまとめ買いした中に混じっていたモノ。リボンも傷んでいたりしてあまり状態はよろしくない。