徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 三池炭鉱労働組合員章

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なんだか最近歴史ブームだそうだ。流行語大賞には、「歴女(れきじょ)」なんていう言葉もランクイン。ちなみに「歴女」とは、(日本の)歴史好きな(若い)女性のことを指すようである。
まあそれはけっこうなことだと思うが、ちょっと偏ってるんじゃないの?と思うこともしばしば。だって、結局戦国時代と幕末維新の話だけなんだもの。

日本史って、戦国と維新だけじゃねえだろうがよ、と私などは思う。なぜ現代史を語らぬのか、と。
なにが坂本龍馬だ、とへそ曲がりな私は思う。よし、今夜は三池争議でも語ろうじゃないか(どっちが偏っているんだと言われそうだけど)。

労働組合バッジの好きな私のコレクションの中でも、大切な一枚がコレ。三池炭鉱労働組合の組合員バッジである。正式名称としては、炭鉱の「鉱」の字は「鑛」を当てるようである。
裏面には文字はなく、このマークだけでバッジの正体を見抜けたのは、日頃の鍛錬のタマモノか。

1959年、三井炭鉱会社側は遅々として進まない経営合理化計画に業を煮やし、一気に大幅な人員削減に踏み切った。この強引な合理化に組合側は反発、全面ストに突入する。会社側も対決姿勢で臨み、労使全面対決の中、悲惨な流血事件なども発生した。
総評も三井炭労を支援するも、長期化するストに組合側の体力も尽き、1960年8月、ついに組合は斡旋案を受け入れた。結局は組合側のほとんど完全な敗北であった。
1997年3月、三池炭鉱は閉山、三池炭労も同時に解散を迎えた。

この薄汚れたバッジは、まあモノ自体は全然大したことはなく、安っぽいただのその辺にありそうなバッジに過ぎないが、こうした歴史を背負っているということが実に関心を惹くのである。
眺めていると、あたかも「がーんばーろうー、突き上げる空にー♪」の歌声が聞こえてきそうな・・・

われこそは歴女とおもう女性には、こぞって三池炭鉱遺跡めぐりにでも出かけていただきたい。それでこそ歴史ファン、歴史マニアというものだ(たぶん)。あ、春になったら秩父事件史跡めぐりとかもオススメです。