徽章はバッジにしてピン

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日本 大日本国防婦人会会員章

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戦前の女性組織の二大巨頭、愛国婦人会大日本国防婦人会。字面から受けるイメージでは、果たして何がどう違うのやらよく分からないが、この2つの組織はなかなか相容れぬ間柄であったらしい。

まず成り立ちからいえば、愛国婦人会の方がずっと古い。設立は明治34年。会員はどちらかというと上流階級の女性が中心で、初代総裁は閑院宮戴仁親王妃。慰問や救護に係る金銭的支援の面が強かったようだ。

それに対して、大日本国防婦人会は、設立はずっと遅く昭和7年、満州事変の直後である。会員は一般主婦や働く女性が中心となった大衆的組織として広まり、軍の後援も受けるようになる。
「伝統的日本婦徳の鼓吹」の活動を展開、銃後の活動としては愛国婦人会より行動的、さらにいえばより軍国主義的な組織であったといえる。

これら軍国主義的女性組織も、昭和17年、政府や軍の監督下に大日本婦人会に統合されることになる。さらに戦争末期には国民義勇隊に吸収され、まもなく終戦を迎えた。

愛国婦人会と国防婦人会の合併には、組織の性格上の違いからか、実際には様々な困難があったらしく、なにかの本で読んだことがあったが詳細は忘れた。

というわけで今日の一枚は大日本国防婦人会の会員章である。
上に「大」の字、中央は旭日マークと月桂飾り。桜の花に彩られた愛国婦人会の徽章よりも、やはりなにかこう、戦時下の女性組織のバッジ、という感じが強くするではないか。

【関連の既出項目】
愛国婦人会一等有功章