平和でヒマな週末。私はゴロゴロしながら、テレビでバンクーバーオリンピックの開会式を見ていた。
先住民族や世界中の移民が集まってできたカナダ。開会式アトラクションは、その文化の多様性をアピールする内容であった。
だが、我々は知っている。かつてこの国では、時に流血を伴う数々の文化摩擦があったことを。
先住民族や世界中の移民が集まってできたカナダ。開会式アトラクションは、その文化の多様性をアピールする内容であった。
だが、我々は知っている。かつてこの国では、時に流血を伴う数々の文化摩擦があったことを。
このバッジは、カナダが国旗を現在のメープル・リーフ旗に変わる前のモノで、イギリス国旗をカントンに入れた赤い旗、レッドエンサインである。現国旗が制定された1965年以前の旧国旗だ。
「OUR MOTTO」とバッジには書かれており、それがどんなモットーかというと、
「ひとつの旗 ひとつの言語 ひとつの国立学校 ひとつの法 特権は誰にもなし」
と、ある。
複数言語表記方式や各民族学校など、絶対みとめんぞ!文句があるなら出て行け!国家分裂主義者どもめ!という人たちの主張である。
「ひとつの旗 ひとつの言語 ひとつの国立学校 ひとつの法 特権は誰にもなし」
と、ある。
複数言語表記方式や各民族学校など、絶対みとめんぞ!文句があるなら出て行け!国家分裂主義者どもめ!という人たちの主張である。
描かれている旗と、英語の文字からも、これがイギリス系のナショナリズムバッジであることは明白である。フランス系住民が多いケベック州では、今もことあるごとに独立運動の話がもちだされている。
当然、それに対して、そんなの認めるものかと反発する勢力も盛んだったわけで、このバッジもそうした政治主張を表すアイテムだったろう。
当然、それに対して、そんなの認めるものかと反発する勢力も盛んだったわけで、このバッジもそうした政治主張を表すアイテムだったろう。
まあ、少なくとも現在では、お互い認め合って仲良くやっていきましょうよというのが主流らしく、特にカナダでは英仏2カ国語表記が徹底している。
多文化主義というのは、口で言うのは易しいが、どの国でもその実現は難しいものである。
思えば、カナダはまずはうまくやっているといっていいのではないか、と思う。
多文化主義というのは、口で言うのは易しいが、どの国でもその実現は難しいものである。
思えば、カナダはまずはうまくやっているといっていいのではないか、と思う。