徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮 注目情報!「後継者・キムジョンウンバッジが製造される?」

気になるニュースをネットで見つけた。
まずは記事を読んで欲しい。

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北後継候補ジョンウン氏のバッジと肖像画制作か(8月16日18時16分配信 読売新聞)
 韓国の民間活動団体が運営する短波ラジオ局「開かれた北韓放送」は16日、北朝鮮消息筋の話として、同国内で金正日(キムジョンイル)総書記の後継候補とされる三男、キム・ジョンウン氏の肖像画と肖像入りバッジがすでに制作されていると伝えた。
 同放送によると、バッジと肖像画は、北朝鮮最大の美術創作団体である万寿台創作社が4月末、上層部の指示を受けて制作した。バッジは早ければ、9月上旬に予定される朝鮮労働党代表者会で一部の党高位幹部らに贈り物として渡される可能性があるという。
 金総書記のバッジは、公式には、父親の金日成(キムイルソン)主席が死亡した1994年以後に使用が認められていた。このため、ジョンウン氏のバッジ制作は、金総書記の死亡に備えたものとの見方もあるとしている。韓国政府関係者は情報について、「確認できない」としている。
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他紙でもこのニュースが記事に取り上げられているが、肝心の部分については「北朝鮮消息筋」の伝聞情報なので、これ以上のことは不明。
それにしても、キムジョンウンはメディアの前に登場しないばかりか、公式に写真さえ公開されておらず、まったくナゾまたナゾの人物である。それが、肖像画やバッジがすでに作られているという。これは気になる。
バッジは、9月の党大会で配られる可能性があるとのことだが、これも推測に過ぎない。
そもそもこの情報自体が本当なのかどうかもわからないのである。

それで、私も負けずに想像力を働かせることとするが、ここで思い出したいのは金正日バッジのことである。
90年代後半から、コレクター市場に流通するようになったが、この時は一気に複数のタイプの金正日バッジが出現した。初め見たときは、何とレアなグッズが現れたものかと驚いたものだが、じきにけっこう普通に手にはいるようになり、それに伴って市場価格も急激に下落した。
そして、北朝鮮では金正日バッジが金日成バッジにとって変わるのだろう、と思っていたのだが、金正日バッジはほとんど公式には登場せず、人民は相変わらず金日成バッジを使用していた。今もテレビで見る北朝鮮高官がつけているのは、どれも金日成バッジばかりである。
金正日の場合、まだ父親の金日成がまだまだ現役の時に、公然と後継者となっていたのに比べ、今回はほぼ金正日の引退が目前になって、ようやくの後継者登場だ。金日成死去後も、建国の父である金日成に対して常にへりくだった態度を崩さなかった金正日である。
それにくらべ、今回のバッジはもう3代目。金日成の権威は依然不可侵であるが、金正日の時のような慎重さは薄れるのではないかという気がする。

というわけで、金日成バッジは依然として使用が継続されるものの、並行してキムジョンウンバッジの普及もスムーズに進むのではないか。
ただでさえ影の薄い指導者(意図的にそうしてきたのだが)を、定着させる手段としても、バッジによるイメージの定着という手段はありうるのではないかと思うのだ。

なにはともあれ、早く実物を見たいものである。ただし、それもこの情報が正しければの話だ。

今から4年ほど前、金正日の二男の金正哲肖像画を描いたバッジが政府や軍関係者に配られた、というニュースが流れたことがある(2006年3月4日、「週間朝鮮」電子版)。
アレは何だったのか。今となっては、ガセ情報であったと考えるほかない。
というわけで、今回の情報も「話半分に聞いておく」、という以上の気分にはとてもなれない私である。