徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 「8月1日の建軍記念日から新しい勲章使用」ニュース

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(新たに制定された勲章、記念章)
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(1,2,3級奨章)

中国の高速鉄道の事故ニュースを見て、ある意味期待通りな当局の対応にあきれかえってみせるのは役立たずのテレビコメンテーターに任せておこう。注目すべきは、記者会見で責任者にくってかかる記者たちの姿であり、中国国内のネット上で殺到した当局批判の書き込みであろう。さすがに対応の失敗を覚ってか、埋めてしまった事故車両をまた掘り起こしたりしているが、国際世論の失笑を買うばかりだ。

で、中国のネット世論に強引に話をつなげていくと、昨日、中国の新華社通信(新華網)の記事、「来月1日の建軍記念日から新しい勲章使用」(8月1日は解放軍の建軍記念日である)。この新たに制定された勲章、奨章、記念章デザインが発表されたのである。
解放軍総政治部の通知には「全軍の将兵の栄誉にかかわる大きな出来事である。またわが軍の優れた伝統を引き続き発揚し、報奨の形を新たにし、豊富にし、広範な将兵が現代の革命軍人としての核心の価値観を自覚的して実践し、軍の歴史的使命を有効に果たすよう奨励するうえで非常に重要な意義がある」とあるのだが・・・

ネットで情報収集してみると、中国の軍事マニア掲示板では、施行前というのにすでに非常に評判が悪い。酷評されまくっている。

「かっこわるい。設計者は火星人かよ」
「(1955年に制定された)五五勲章には及ばない。なんで今の勲章が50年前よりひどいの?
「ガッカリだ。学校出たての新人がデザインしたわけじゃないだろ?こんなの勲章じゃない」
「ケバケバしくって重厚感がない。慣れるまで時間がかかりそう」
英雄への冒涜。なんの創意も感じられない」
・・・などなど、批判はキリがないけど、賞賛コメントは全然ない。中には、五五勲章当時と比較して、「今の指導者が決めたモノだ。偉業を達成した毛沢東時代のモノは違う」などというコメントまで見られる始末。

これらカキコミした人たちには、「五五勲章(1955年制定の新中国初の国家勲章)はすばらしい」、という憧れにも似た共通認識がある。それに比べて今回のヤツは・・・という嘆きになっているわけだが、私に言わせれば、五五勲章のデザインもけっこうベタな印象で、そこまでいいモノじゃない気がする。とはいえ、やはり今回のに比べると遙かにマシと言わざるを得ず、中国人マニアたちの嘆きもまあ理解はできる。
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(新たに制定された最高位の「一級英雄模範勲章」)
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(1955年制定の三級八一勲章。一級は全体が金色でさらに大型である。)

特に、今回制定の共通した特徴として上部(綬の部分)にそれぞれの名称がゴシック体で書かれていて、わかりやすさを優先したのかもしれないが、これがどうしようもなくダサイ雰囲気を醸し出している。
一級・二級英雄模範勲章は、一言で言ってしまえば五五勲章のうちの八一勲章をあからさまに模倣しており、しかもいろいろとデザインの要素(光芒、梅花?、月桂冠?、赤旗、八一軍徽)を積み込んだのが裏目に出て、しかも綬部のダサさがトドメを刺している感じ。
それに、全体は銀に金メッキ、中央部は一応純金らしいが、妙にペカペカとした光っぷりはなんなのだ?質感が全体に悪すぎる気がする。
さらに、この「英雄模範勲章」という、妙に説明臭い名称もちょっと考えものだ。どうせなら、単に「英雄勲章」にしたほうがストレートでいいのに、ここに「模範」などとお仕着せがましい文字はいらない気がするなあ。余計なお世話だけど。

ま、所詮勲章なんて、本質的にダサイモノなのであって、デザインやツクリばかりを云々しても始まらないのだよ・・・と達観しておくに限る。勲章ばかりが豪華で絢爛な、例えばパーレビ時代のイランみたいな国が本当に理想といえるだろうか。
勲章のダサイ国、大いにけっこうではないか。