徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 室蘭市功労章

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国に勲章があれば、自治体にも功労章がある。顕著な功績を残した住民や役所、議会で活躍した人物を表彰するものである。これまでも様々な自治体の功労章を紹介してきたが、今日は北海道室蘭市の功労章を紹介しよう。

一瞬、シルエットだけ見ると驚くほど満州国蘭花紋(日本の菊紋章に相当)に似ているが、これは室蘭市の市章の一部。室蘭市の市章は、このバッジの中央部、四角が丸く囲った中に蘭花が描かれたデザインである。このバッジは、だから内側と外側が入れ替えられている。市章の制定は昭和11年、ということは1936年だ。満州事変が1931年、満州国執政であった溥儀が皇帝に即位し満州帝国が成立するのが1934年。
真似したといってはなんだが、時代的にはバッチリ符合するので、少なくとも満州国章に影響されたことは間違いないだろう。

で、この市章、四角が丸く囲っているのはなにかというと、「6つのロ=むろ」+「蘭の花」=「室蘭」なのだそうだ。よくある話とはいえ、かなりきついダジャレ系市章。
有功章は、昭和43年9月に条例で制定されており、おそらくデザインもそのまま変わっていないだろう。

まあダジャレのデキの善し悪しはさておき、この有功章は美しい出来栄えとなっている。手間のかかる繊細な透かし彫りを活かし、色合いは蘭の花というより、北国の空に舞う雪の結晶を想像させる。
これまでいろんな自治体有功章を紹介してきたが、その中でもこの造形は私の好みである。
なお、向かって左側が略章。箱のツクリから、あまり古いものではないと思われる。