徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ 反オバマ大統領バッジ

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アメリカのウォール街で始まった草の根の反格差デモ「ウォール街を占拠せよ運動」は、アメリカの各都市に拡大したばかりか、今日15日に世界同時決起を呼びかけて、日本を含み、実施は世界80カ国以上にのぼったという(予定含む)。

主要スローガンは「社会格差の解消」「貧困撲滅」「失業解消」などのようだが、日本のを見ると、反原発反グローバリズムまで種々雑多な主張含んでいるようだ。
社会格差や貧困や失業が、もっとあった方がよいと考える人は稀であろう。だが、どうしたらその問題が解決できるか、具体的対応にまでもう一歩踏み込んだとたん、世の中の半分の人から反対の声が噴出するはずである。だから一層深刻で解決困難な問題となっているわけで、一刀両断できるくらいなら誰も悩みはしないのである。

アメリカでは、2009年にバラク・オバマが第44第大統領に就任。イラクアフガニスタンからの米軍撤退、医療保険制度改革核兵器廃絶などを掲げ、リベラル色の強い政策と演説の巧みさで、大きな期待と人気を集めたのは、まだ記憶に新しい。
が、初め高かった支持率は今や50%を割っているとされ、失業問題や経済不振が大きく足を引っ張っているそうだ。それでも日本の政権より高いと思うけど。
当初のオバマの勢いが衰えると、今度はティーパーティー運動という反リベラル保守派による政治運動が一気に気勢を上げ、オバマの追い落としにかかった。あ、最近あんまりティーパーティーのニュースも聞かなくなったような気もするね。

で、今度は「オキュパイ・ウォールストリート」だ。ティーパーティーとは逆の路線で、アメリカってのは大衆政治運動が盛んな国なんだのう・・・とちょっと年寄りが青年を眺めるような心境である。

さて、バッジの話である。
オバマ反リベラルのティーパーティ系の人が使ったりするのだろうか、アンチ・オバマバッジの種類はものすごく多い。それらを見ているとアメリカでは大衆政治運動には、安価なカンバッジが欠かせないアイテムであり続けているようだ。もちろん、オバマ支持派だって膨大な数のオバマ応援バッジを作っている。
それにしてもアメリカのアンチ・バッジはロコツでエゲツないものが多く、ネガティブキャンペーンが盛んなアメリカの政治運動ならでは。ちょっと日本では受け入れられないだろうなあ。
オバマ派は、オバマ社会主義者のレッテルを貼りたがっていて、それっぽいデザインが多くてある意味笑える

まず1点目。
明らかに中国の文革ポスターのパロディ。そして書体はキリル文字風ラテン字で、ソ連風な味わいを演出。まあ漢字じゃアメリカ人には読めないからね。
マルクスエンゲルスレーニンスターリン毛沢東、そして一番手前にオバマ大統領を並べて、悪の領袖の一員と印象づけている。「1917年(ロシア革命)以来、富を撒き散らしている社会主義者」と決めつけるスローガンもひどいよね。

2点目。
COMRADE OBAMA(オバマ同志)」と、赤い星、槌鎌マークを入れて、オバマ大統領はアメリカを破壊する社会主義者というデザイン。

3点目。
これはダジャレ系。「OBA-MAO」というのは、もちろんオバマ毛沢東のマオをかけたもの。オバマ大統領に65式人民解放軍軍服を着せ、毛沢東のイメージにダブらせている。他にも、カストロレーニンとかぶらせたデザインのバッジなども多い。
本当は、どう考えてもオバマレーニン毛沢東じゃ似ても似つかないというか、あまりにも違いすぎて比較のしようもないくらい。でも、バッジの設計者にとって、そんなことはどうでもいいのである。オバマと悪の首領のイメージがかぶせられれば。

他にも、アンチ・オバマバッジには、オバマが悪魔やゴキブリに擬したデザインなど、もう本当にどうしようもないものが山のようにある。いくらティーパーティーのメンバーでも、これ本当に服につけるんですか?と聞きたくなるようなものばかり

もっとも、反ブッシュ、反クリントンのひどいバッジだって大量に作られてきたので、別にオバマだけが特別なわけではない。これがアメリカ政治文化における徽章のありようなのだ。
世界的に見ても、ちょっと酷いんじゃないかと思うけど、どうなんでしょうね?

注:画像は3点とも私のコレクションじゃありません。