徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ 2016年アメリカ大統領選挙 アンチ・トランプ候補バッジ

今年はアメリカ大統領選挙の年で、現在、共和党民主党とも、大統領予備選挙が各地で行われている。4年に一度のアメリカ政治的大イベントが行われる。

オバマの反動というべきか、共和党候補の方がえらいことになっている。
当初海外メディアなどからは、「コイツはまずないだろう」と目されている感のあった不動産実業家、ドナルド・トランプ(69歳)が、なんと本当に共和党候補に正式に決まりそうな勢いなのだ。

この人物、まず政治経験も行政経験もゼロである。「不動産王」と呼ばれるほどの財力を1代でなした有名人で、、メディアの露出も多かったので、大統領選挙への出馬表明は大きな注目を集めた。
メディアの利用にも長けているのだろう。大衆受けする、メディアの注目を集める言動で、他の共和党候補を圧倒していった。

が、さすがに人種的民族的な差別発言が反発を呼び、コイツだけは許せんと息巻いているアメリカ人が多いのも事実。主としてインテリ層の受けは良くないように見える。
私も、初めのうちは、またヘンなのが出てきたなあ、くらいにしか思っていなかったが、あれよあれよという間に各州の予備選挙で勝ちを収めて行くに従い、トランプ候補自体よりも、コイツに投票しているアメリカ大衆に疑問を抱くようになった。
最終的にトランプが大統領に就任することがなかったとしても、この人物を支持する有権者がこれだけいるのである。これがアメリカの現実なのか?

何はともあれ、今回の選挙で最大の話題となっているのがトランプ候補であることは間違いないだろう。

アメリカ大統領選挙では、選挙キャンペーンのためにバッジが作られる。これは古くからあったもので、歴代大統領選挙バッジを専門にコレクションしている人もいるくらいなのだ。この点、同じく民主選挙の行われる日本とはかなり違った文化である。
おもしろいのは、支持する候補のバッジだけでなく、ネガティブキャンペーン用のバッジも作られることだ。アンチ・バッジである。

ドナルド・トランプは、反対者も多いだけに、予備選挙だというのにすでにアンチ・バッジがたくさん作られているようだ。しかも、彼のキャラを反映してなんともこれが・・・
まあ現物を見ていただこう。


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KEEP AMERICA GREAT BERNIE IN 2016
MAKE AMERICA GREAT AGAIN」(偉大なアメリカの復活)がスローガンのトランプに対する批判で、「BERNIE」とは、民主党候補のバーニー・サンダースのこと。ふむふむ、社会民主主義者を自称するサンダースはトランプをこう皮肉っているのか、と思ったら、まったく同じデザインのバッジで、「BERNIE」の部分が「HIllARY」(ヒラリー・クリントン)になっているタイプもあった。どうもサンダース個人の発言ではないらしい。民主党側からの一般的な批判、ということか。

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トランプのアメリカで、俺たちゃみんな国外追放
これもかなり強引な合成画像で、移民の家族に銃を突きつけて追い出そうとしているトランプ、という図であろう。メキシコ国境に万里の長城を作らせるらしいからなあ、しかもメキシコの金で(たぶん支持者ですら現実にできるとは思っていないだろうが)。

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わがトランプ
ファシストムッソリーニヒトラーにトランプを擬したものもけっこうある。ヒトラーの「わが闘争(Mein Kampf)」に引っかけて、「Mein Trunpf」、そしてチョビ髭。
バカバカしいと言えばそれまでだが、まあ選挙のアンチバッジなんてこの程度。そのバカバカしさをあえて賞味することこそが本質なのではないか。

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ドナルドの陽気な妻たち
もはや政治思想信条関係なし。ワイドショー芸能ネタ的、としかいいようがないが、これはこれで彼のキャラ。大衆受けする情報というのは、結局こういうものかも知れない。
トランプは、これまでに3度の婚姻暦がある。私生活の方も波瀾万丈なようだ。婚約指輪にかたどられた3人の女性の写真が妻たちなのだろうか。「4?」と書いてあるのが、「で、次の結婚はいつなの?」と言いたげで悪意たっぷり。

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ヤツは止められない! トランプネイター
ここまでバカバカしいバッジを作れる人って実はすごいんじゃないかと逆の意味で感心させられる。
だがちょっと待てよ。
これ本当はアンチ・バッジじゃなくて、実は支持者用のバッジじゃないのか、という気が後からしてきたぞ。「知人と思って話しかけようとしたら実は全くの別人だった」ような、不安感を覚えている。
改めて見てみると、うーむ、けっこう支持者側がおもしろがって、シュワルツェネッガーに擬してタフでマッチョなトランプ大統領万歳!みたいな(間違った)感性で作っちゃったということもありうるんじゃないか。
日本人からしたらバカにしているとしか思えないのだが、アメリカ人はどうなんだろ。
(どっちでもいい気もするが)

さて、予備選挙だけでこれだけ盛り上がるアメリカ大統領選挙バッジ。本戦になったらもっと傑作アンチ・バッジ(=バカバカしいバッジ)が大量増産されることは必至。私は今からそれに期待している。