徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 大日本山林会 特別会員章

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かつては日本の主力産業であった農・林・水産業には、明治以降全国組織が結成され、各部門の維持発展のための活動が展開されてきた。
それぞれ、大日本農会大日本山林会大日本水産会であり、現在も公益法人として健在である。いずれも明治14~15年に発足していること、総裁に皇族を立てていることなど、横並び的である。

農・林・水産の部門のうち、経営としてもっとも厳しいのがおそらく林業であろう。山地率の高いわが国のこと、かつてはあちこちに林業を営む集落や林業施設が存在したが、輸入材の増大により高度成長期以降は軒並み廃墟化した。森林鉄道も、最近ブームの廃線探索の格好のネタとなっているくらいだ。
そもそも「業」として成り立っているのかどうか、というのが日本の林業の実態といえよう。
それを今も支えているのが、大日本山林会である。

さて、今日の一枚は大日本山林会の特別会員章である。製作時期は不明ながら戦前の作であろう。三叉の矛状に描かれた「山」の字に、下には針葉樹と広葉樹の枝葉が交叉している。現在の大日本山林会の公式サイトにも、シンボルマークと思われるモノがあり、これも山の下に針葉樹と広葉樹の枝葉が描かれたデザインで、このバッジとよく似ている。
このバッジは刺しピンタイプで、裏に4cmほどの針がロウ付けされている。
割と出来のいいバッジである。

大日本山林会のバッジはあまり見かけることがなく、割とレア物と思っている。少なくとも、まだ大日本農会関係のモノの方が多い。大日本蚕糸会になるとイヤになるくらい多く、これまでの会員数の多寡が影響しているのであろう。
また、現在では大日本山林会の事業内容には表彰事業がなく、有功章(メダル)などを授与している大日本農会と異なる。この辺の事情もバッジ類の数に関係しているだろう。


【関連の既出項目】
大日本農会の緑白綬有功章