徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 中国放送協会 放送記念章

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実は困ったことに、ここ数日、自宅PCがネットがつながらなかった。それもなんの前触れもなく、突然に。
さて困った。ケーブルのトラブル? システムの異常? ルータの故障?・・・試行錯誤すること数日、プロバイダーのサポートセンターに問い合わせると、「料金が払われていません」。
なんの手違いがあったものか、とにかく近くのコンビニで至急振り込んだとたん、あっけなく解決。まさか料金未納とは、想像もしていなかったな。

それはさておき、今日の一枚(裏面と表面)。
しばらく前、久しぶりに骨董市でごそごそバッジを漁っていると、気になるものを見かけた。古い形をしたマイクが描かれているメダルである。裏面を見せてもらうと、「放送紀念 中国放送協会」の文字。
うおっ!と内心思ったな。
放送史研究サイト「radioFly放送博物誌」(http://radiofly.to/wiki/?FrontPage)によると、中国放送協会の設立は1941年2月。日本軍政下に置かれた中国各都市で現地軍が運営した放送施設を受け継ぎ、日支合作の特殊公益法人として運営された。南京の放送局を中央電台とし、「新中国建設に伴ふ諸般の工作と緊密に連携し、和平思想の浸透拡大、対重慶宣伝の強化、民衆育撫の充実」のための放送事業を展開した。重慶政府に対する宣伝戦を担ったわけである。

このメダル、「放送記念」とあるからには、中国放送協会設立時の記念品なのであろうか。とすると、1941年の作ということになる。
始め、裏面を見たときに「紀念」という文字が見えたので、中国製かと思った。「キネン」という語には、明治時代には日本でもこの字を当てていたので紛らわしいが、昭和に入れば、「記念」は日本語、「紀念」は中国語と判断するのが一般的だからだ。
ところがよくよく裏面下の刻印を見てみると、「銀」「田中」という字が見て取れる。田中という徽章メーカーはちょっと思い当たらないものの、明らかに日本製である。中国メーカーの刻印ではない。

骨董市では、私がこのメダルを見ていると、店のおじさんが「それ古い中国モノだよ」と言った。私は、一見中国モノらしく見えるけど、刻印からしても日本製に間違いないですよ・・・と思いながら「そうなんですか」とだけ言って買った。