徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 中華戒煙節倹総会バッジ(反アヘン運動)

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健康や社会への飲酒による害を追放する禁酒同盟のバッジを紹介したばかりだが、かつて中国ではさらに深刻な問題があった。アヘン問題である。

清朝中期、国際貿易の不均衡を是正するため、イギリスなど帝国主義国家は中国へアヘンを輸出。この結果、中国では社会をむしばむアヘン害は深刻化していく。このアヘンの害を認識し、一掃するため、「理門」と呼ばれる民間組織が活動を展開していた。清朝の初期から存在する、一種の宗教的慈善団体のようである。

おそらく、このバッジもその種の組織のモノらしい。「中華戒煙節倹総会」と読むのだろうか。組織の正体はよくわからない。赤十字ならぬ白十字が描かれていることからも、なんらかの慈善団体であることがうかがわれる。

この場合の「煙」は、アヘンと解すべきであろう。中央には黄色の鐘に「警鐘」と書かれている。同胞にアヘン害の危険を知らせる鐘なのであろう。中華民国初期には、しばしばバッジに「鐘」が描かれたモノをよく見かける。社会が大きく変革したこの時期、国民の覚醒を促す象徴として取り上げられていたのだと思う。