徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 出征将兵子弟バッジ

イメージ 1

日本では、戦争中、「誉の家」という表札があった。出征兵士が戦死すると、その家の門に掲げるのである。
アメリカなどでも、同様に「国のために奉公中」というような表札が掲げられたシーンを映画で見たことがあって、いずこの国でも同じことをするのだなあと思ったことがある。

家だけではない。戦死すれば、軍人の遺族には「軍人遺族記章」が与えられ、佩用することができた。これは「軍人遺族記章令」で定められた公的なものだが、そこまで公的でなくても類似のものは他にもある。

画像のバッジは、「出征将兵 子弟」と書かれたバッジである。裏面には「神戸市 平野校」とある。
調べてみると、神戸市西区に市立平野小学校及び中学校がある。当時の校名は、「野国民学校」であったはずである。校名が刻まれているということは、学校から父や兄を戦地に送った家の子供に送られたものなのだ。なにかのイベントの際に製作されたものだろうか。

デザインは、松に流水紋、そして中央には日の丸。松に流水は伝統的な紋章である。ちなみに、平野小の校章を盛り込んだものかとも思ったが、このバッジのデザインとは全く関係なさそうである。

もらった子供は、このバッジを胸に光らせて誇らしく思ったであろうか。彼の父か兄は、無事に戦地から帰ってきたのだろうか。

【関連の既出項目】
軍人遺族記章