徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 国民心身鍛練運動(昭和12年、大阪)

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気がつけばもう8月も終わりではないか。今年の8月は日曜日が最終日、ということは、9月から2学期が始まる子どもたちにとっては、いきなり月曜日の1日からスタートという、なかなか厳しい条件だ。夏休みの宿題の片付け、せいぜいがんばってもらいたい。

子どもの頃、夏休みの宿題にはもちろんいい記憶はないが、ラジオ体操というのもキライであった。当時から早起きが苦手だったからだ。せっかくの休みの日なのになあ、と思いながらイヤイヤ通ったラジオ体操のおかげで、夏休みといえばラジオ体操というイメージが定着している。最近の子どもはどうなのだろうか?

画像のバッジは「国民心身鍛練運動」とあり、ラジオ体操みたいなものなのだろうかと思えば、あながちハズレではない。

昭和12年7月27日付の文部省の通知にいう。
「来る八月一日から二十日迄、国民体位の向上と国民精神の錬磨を計る目的を以て「国民心身鍛練運動」を政府総掛りの下に興ずることになつたが、今日の非常時局に処し、国難を打開するために、先づ全国民の確乎たる精神と健康な身体を以て、一致団結して、国家のために尽すといふ気運をつくるといふ趣意に出でたものである。
 「心身鍛練運動」と云つても、色々な方法があるが、先づ今年の計画としてはラヂオ体操を始め、登山、遠足、水泳等の戸外運動の奨励指導竝に学生の夏期休暇を利用しての武道鍛錬、運動、実習、見学、旅行に依る心身鍛練の三項目に重点を置いたのである。」

期間が8月1~20日の期間限定キャンペーンである。
全小学校でラジオ体操の会が実施され、小学生はこれに参加することとなった。
現在も続くラジオ体操は、この頃には体制ができあがっていたわけだ。

昭和12年といえば、盧溝橋事件がこの年7月に勃発、日中全面戦争へ突入していった年である。学校教育の現場も、どんどん戦時体制に組み込まれていった。まあしかし、昭和17年から始まる国民精神総動員運動と比べれば、昭和12年当時はまだまだ軽いような気もする。

バッジを見ると、大人と子どもがラジオ体操を行っているところで、日に焼けた肌の色が何とも印象的である。ちょっと黒すぎるんじゃないかと思うほどだ。
大人も子どもも女の子の別なく、そろって運動している姿がおもしろい。
裏面には、「昭和十二年 大阪府」の文字がある。

ラジオ体操に参加した子どもがもらえたバッジなのだろうか。
確かに、戦後になっても、ラジオ体操に参加すると記念にバッジがもらえたこともあったようだが、同じ性格のものなのかもしれない。