徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 日中国交回復記念メダル

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経済大国となった中国と、日本もその他の周辺国も、この巨大な国の大変身に否が応でも対応するしかなくなっている。日本を含む西側陣営は、中国の共産化を脅威としてきたものだったが、資本主義化したらしたでまた脅威なのだから、皮肉である。ロシアもまた然り。
政治思想上の対立が解けても、対立自体がなくなるわけはなかったのだ。今になって気がついたのかとも思うが、常に騒動の渦中でもがく人間たちは、常に目の前にあるわかりやすいリクツで納得したかったのかなあとも思う。本質的な問題解決ができるわけでも何でもないので、また新たな騒動の中に放り込まれるだけなのだよ、ねえ人類よ。

さて、日中国交正常化がなったのが1972年。いまから43年前のことである。これをキッカケに、70年代は中国ブームが起きるのだが、まさに隔世の感がある。
このメダルは当時作られたもので、表に描かれているのは、当時の両国の首相である田中角栄周恩来。なんとなく似ていると言えば似ているがちょっと微妙。「日本・中華人民共和国国交回復 1972.9.29.」とある。そうか、9月末のことだったのだな。
裏面には中国の国章と「中華人民共和国日本両国建交 万歳」と中国の簡体字で書かれている。
もっとも、この時行われたのは「日中国交正常化」であって、政府の公式表現としては「国交回復」とは微妙に異なるのだが、民間製作のメダルだけに、その辺にこだわることはあまり意味がないかもしれない。だって、「国交正常化」とは本質的には「国交回復」そのものであったのだから。

このメダルは三井金属工芸株式会社の製作で、裏に小さく三菱マークが見える。