徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イタリア? トリノオリンピックのマスコットバッジ(2006年)

今年の夏も自然災害のニュースばかりだった。豪雨、台風、そして地震
しかし個人的には、全く今年の夏は洗濯物が乾かねえなあ、などとブウブウ言っていたくらいで、いたって平穏そのものであった。

さて、日本のビッグイベントである2020年オリンピックまであと2年を切った。2年前イベントなどが各地で催されたようだが、これからますますイベントモードに入っていくのだろう。
2年前イベントでは、マスコット名が発表された。ミライトワ」と「ソメイティだそうだ。
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マスコットの選定にあたっては、大会ロゴをめぐって起こった騒動だけは二度と起こすまいと組織委員会が固い決意で臨んだものか、なんと3案について全国の小学生に投票させるという、慎重というよりもはやいかに選定後の批判を避けるかと腐心したとしか思えない、手間のかかるヤヤコシイ方法を採択した。

テレビでは、ある外国人が「日本人は大会マスコットによほど思い入れが強いんだね」という意味のコメントしていたのが印象的だった。たぶん皮肉だ。
最近、ネット世論か何か知らないが、こういう些細なことも許さない風潮が強まっているように見える。
ロゴだろうとマスコットだろうと、どうでもいいじゃないか。佐野研二郎に親でも殺されたのか?と。

公式オリンピックマスコットは、1972年のミュンヘンオリンピックで初めて登場した。ミュンヘンオリンピックというと、パレスチナ人グループによる人質事件(犯人グループも人質も全員死亡)ばかりが印象に強いが、こういう平和なネタもあったのだな。

以来、オリンピックにマスコットなどなくても別に良いような気もするが、受け継がれているところを見るとよほど人気があったのか、グッズ売り上げによる儲けが大きかったものか。いつしかマスコットの複数化が定着し、1998年長野大会(冬季)では4体、2008年北京大会では5体のマスコットが登場した。

まあロゴやマスコットなどに対してあまり過剰に反応するのは、正直ダサいと思う。所詮オリンピックではないか。ふーん、今度はあれに決まったのね、と一歩引いて見るくらいが大人の対応というものではないか。

・・・とは思うのだが、歴代のオリンピックマスコットを見ていると「果たして他に候補はなかったのだろうか」と考えさせられるのも、正直ある。
中でも個人的にはこれはちょっと・・・と最も受け入れがたい気持ちがするのがこれ。
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2006年トリノ冬季大会のマスコット
名前は、赤いのが「ネーベ(Neve 雪の意)」、青いのが「グリッツ(Gliz 氷の意)」だそうだ。

トリノオリンピック
荒川静香が女子フィギュアで金メダルを取った大会といえば思い出す人も多かろう。懐かしい。
でもこいつらの存在は全く記憶にない。あんまり目立ってなかったんじゃないだろうか。

いまネットで調べてみると、作品は世界中から公募され、2004年に決定したそうだ。作者はポルトガル人デザイナー。一体他にどんな候補があったのだろう。
ネットでこいつらの着ぐるみの画像も見つけたが、オリジナルのデザインにも増してこれがまた何とも、小さい子が見たら泣き出しかねまい。もはやkawaiiを通り越して異様というか下手すればグロテスク、なんだか子供の頃見た妖怪本のイラストを想起させられた。

なお、この2匹はそれぞれオリンピックとパラリンピックのマスコットではなく、パラリンピックはこれとは別にいる(もちろんそれも似たような感じなのだが)。

私の手元に、このマスコットのバッジがなんとなく1個だけあった。ネーベとグリッツが楽しげに抱き合っているデザイン。ワールドワイドパートナーであるVISAのバッジである。

ミライトワソメイティにも、多くの反対論や批判があったようだ。でも、佐野ロゴ騒動のドタバタはもういい。
まあまあ、みんな落ち着いてトリノ大会のマスコットでも見てみてよ、と思う。
多少、頭が冷えるはずだ。